南シナ海における中国の軍事的な活発化およびサイバー戦争。このふたつが北京とワシントンの最も厳しい対立点である。また中国による対衛星兵器実験および米国が迎撃不可能な超音速ミサイル実験も米国の不満を呼んでいる。しかしこれら問題のどれひとつについても、今回の范氏の米国訪問では、何らの具体的合意も策定されなかった。
范氏の米国訪問の効果はゼロであった。中国外務省が今日、南シナ海への軍事インフラ建設を宣言したあとでは、一層その感が強い。米国はこれを地域の緊張の主要な源泉と見なし、軍事行動によって中国に対抗する、との脅迫さえ既に行っている。それなのに、中国側も米国側も、范氏の訪問は成功だった、と語っている。「交流・協力に関する中米陸軍対話メカニズムに関する枠組み合意」「海空上における偶発的接触の際の安全確保のための行動規範に関する相互理解覚書」に調印がなされたことが、その根拠であると、両者は口を揃える。
モスクワ国立大学ジャーナリズム学部露中研究センター所長エヴゲーニイ・ザイツェフ氏は、訪問の成果は複雑な両国関係を全く反映していない、としている。
「合意調印には象徴的な意味しかない。両者に前向きな意思があることを示すための、ただのジェスチャーである。西側でよく参照される「チャイナ・デイリー」紙によれば、中国は南シナ海について、自らの立場を一歩も譲る気はない。一方で、中国の軍事専門家らは、米国が枠組み合意に調印したのは、中国は地域において自らの国益を厳しく推進していく力を持っている、と理解しているからである、と強調している」
今後は米国の偵察機がより頻繁に当該海域上空を飛行するようになる。日本の偵察機も同じことをする。それを米国は奨励しているし、フィリピンも求めているのだ。ベトナムとならび、南シナ海において中国と対抗する主要な国家であるフィリピンは、自国の軍事基地で日本の戦闘機に燃料補給を行うことを約束している。