ドイツ紙「ディー・ヴェルト」が報じた。この研究は、オーストリア経済研究所(Wifo)が行ったもの。
同研究所のオリヴァー・フリッツ氏は次のように語っている。「昨年秋から危惧していた輸出の後退は、いま現実となっている。もし状況が抜本的に変わらなければ、きわめて悲惨なシナリオをたどることになる」。
ドイツ紙は合わせて、「対ロ制裁は欧州に損失を出す」とのプーチン大統領の言葉を引いている。欧州委員会はこれとは逆に、対ロ制裁による被害は「相対的に軽微で、克服可能」なものと公式に評価していた。しかしエコノミストらの新たな評価では、被害はやはり甚大である。
昨年8月、ロシアは、EUや米国などによる制裁への対抗措置として、一部商品の禁輸を決めた。多くの食料品が禁輸リストに入った。EUは農業従事者への財政支援を余儀なくされた。そんな中、たとえばポーランドは、米国に対し、代替輸出先の確保のため、米国市場を開放してほしい、との訴えを行っている。