流し網漁禁止法がロシア下院(国家会議)で承認されたのは6月10日。これが仮に24日、上院(連邦会議)を通過し、大統領の署名が得られた場合、流し網漁は2016年1月1日から禁止される。現在、極東で流し網漁を行っているのは日本の漁船が35隻、ロシアは16隻。日露の漁船の漁業範囲は産卵のためにサケが通る水域と最高で1600キロメートル重なっている。
NHKテレビの報道では、農林水産省の発表によると、網漁による日本のサケの漁獲量は15万トン。そのうちロシアの排他的経済水域における流し網漁の漁獲量は6400トンを占めている。
ロシア議会の算出では、ロシア排他的経済水域における流し網漁禁止でロシア市場への魚類生産物の供給量はおよそ50億ルーブル増える。漁業部門ではおよそ4000人分の追加雇用が創出でき、あらゆるレベルで5億ルーブルを越す予算増が見込める。
日本では、流し網漁禁止の理由として自然保護の論点が挙げられていることに対し、これは単なる前提であり、実際はウクライナ情勢に絡んで日本の発動した対露制裁へのロシアからの報復措置だという意見がもっぱら唱えられている。