南ウラルが、この施設のための建設地に選ばれたのは、決して偶然ではない。南ウラルにおける巨大な産業地域であるチェリャビンスク州は、欧州とアジアの間の輸送路のちょうど交差地点に位置しているからだ。輸送物流総合施設「ユジノウラリスキイ」は、州都チェリャビンスクから40キロの場所にあり、広さは180ヘクタールもある。ここにコンテナ・ターミナルが作られた。敷地内には、コンテナ輸送のための鉄道の支線、物流倉庫、貨物の通関手続きのための施設、その他の付帯設備が整っている。毎日この「ユジノウラリスキイ」は、400個までのコンテナを受入れ処理する事が出来、年間の貨物取扱量は250万トンになる見込みだ。
中国から入ってくる列車は、工業製品ばかりでなく、食料品なども運んでくると見られる。これに関連して、輸送物流総合施設「ユジノウラリスキイ」の最高経営責任者(CEO)、ウラジーミル・パヴロフ氏は次のように話している-
中国製品を積んだコンテナの一部は、すぐにトラックに積み替えられ、オレンブルグ、ウファ、モスクワといった目的地に送られる。そして別の一部は、総面積80万平方メートルの倉庫群に置かれる。ものによっては、ターミナルに貨物がそのまま一時的に保管される場合もあるだろう。
消費者への商品の発送と並んで「ユジノウラリスキイ」の敷地内では、自動車部品や家庭用電化製品の生産や、キクイモの加工も計画されている。キクイモの主な成分は、多糖類イヌリンを含む食物繊維であり、生のキクイモには13-20%のイヌリンが含まれる。この物質は果糖の代替え品となる。すでに近隣の地区ではキクイモの栽培が始まった。
輸送物流総合施設「ユジノウラリスキイ」の試験稼働は、5月27日に行われた。この日、鉄道ターミナルには、中国からの最初の列車が到着した。50個のコンテナの荷下ろしと通関手続きは、3時間と少しで済んだ。「ユジノウラリスキイ」では、こうした荷物取扱いの迅速なテンポが、今後の模範となるはずだ。