ロシアのアレクサンドル・マツェゴラ駐北朝鮮大使は、次のように語ったー
「残念ながら、朝鮮半島情勢は今、高い緊張度で特徴づけられています。なお、私たちは、この責任を一国に押し付けようとはしていません。北朝鮮も、その相手国も、自制を発揮し、意見の相違を深刻化させ、その結果、地域情勢を悪化させるような挑発行為から距離を置くべきだと考えています。北朝鮮について具体的に述べるならば、それは、北朝鮮のミサイル・核プログラムに対する国連安全保障理事会の決議を厳格に履行することです。ロシアはこの決議を支持しています。一方で、米国と韓国の演習の規模が拡大し、朝鮮半島やその周辺における米国の軍事的活動が全体的に活発化しています。これは明らかに状況を揺るがしています。そして、状況をさらに悪化させるでしょう。しかし、今後発生する恐れのある脅威や挑戦は、北朝鮮が基になる可能性があります。」
ロシアのアレクサンドル・ティモニン駐韓国大使は、次のように語っているー
「残念ながら、『冷戦』の終結は朝鮮半島には影響を及ぼしませんでした。ここでは両国の北緯38度線を境に、すでに60年間も、完全に正反対の2つの社会・政治システムのみならず、近代兵器を装備した大規模な軍部隊の激しい対立が続いています。朝鮮半島は依然として、軍事・政治的危機の瀬戸際に立っています。いつ、いかなるきっかけで、紛争が勃発するか分かりません。2010年に韓国の哨戒艇が沈没した黄海での事件は、いかに状況が不安定で、緊迫しているかを示しました。なお、朝鮮半島に、信頼性の高い平和と安全のシステムをつくることが、南北朝鮮の関係改善に寄与することを考慮する必要があります。数多くの朝鮮問題は、政治・外交的な手段で解決するしかないと確信しています。それ以外の方法はありません。あらゆる問題に関して、相互に受け入れ可能な解決策を見出すための最良の方法は、全当事者が参加する対話です。もちろん、朝鮮半島の非核化に関する6か国協議を含めたあらゆる対話の実施は、朝鮮半島とその周辺の軍事・政治的緊張の緩和という文脈において、適切な雰囲気がつくられた状況でのみ、可能なことかもしれません。そのため、ロシアは、朝鮮半島における軍拡競争の高まりをストップさせるよう訴え、韓国南部に米国のミサイル防衛(MD)システムを配備することに反対し、大規模な軍事演習をはじめとした、あらゆる軍事的活動のレベルを下げるよう、呼びかけているのです。」