防衛省設置法改正について 制服組のアカウンタビリティが不十分

防衛省設置法改正が、10日の参議院本会議で成立した。マスコミは一斉に、「文官統制廃止」と報じ、政府はそれを否定している。

また大袈裟なと思って、調べてみたら、文官(いわゆる内局)の権限が半分以下になって、軍事力運用については大臣の補佐をするのではなく、逆に制服組を補佐することにされてしまったのではないかと思える箇所がある。内局の担当として条文に明示されているのは、法務(他に予算?)だけである。下記に改正点をコピペしたのでご覧いただきたい。

これで、自衛隊の運用についての情報は制服組が独占し、防衛大臣、総理大臣に十分な識見がなければ如何様にでも丸め込まれてしまう。

徳永エリ参議院議員:アメリカ追従の日本、日ロ外交は期待から危惧へ - Sputnik 日本
徳永エリ参議院議員:アメリカ追従の日本、日ロ外交は期待から危惧へ
戦前とは異なり、自衛隊が海外で勝手な行動をすることはできないが(アジア各国は独立国となって、軍隊も備えている)、自衛隊のAccountabilityは制服組の裁量次第ということになると危ない。日本の組織は戦前の失敗の原因になったように、ばらばらで、各組織がタコツボに入って権利を主張しがちである。その情勢判断はしばしば誤っていた。

文官に抑えられてきた制服組のうっ憤はわかるが、この改正はやり過ぎではないか。制服組自身の将来にとって危ない種をまいたのでないか。

以下は「官房長及び局長と幕僚長との関係」関連個所改正点。

これまでの第十二条:

官房長及び局長は、その所掌事務に関し、次の事項について防衛大臣を補佐するものとする。(として、大臣から各幕僚長に対する指示、各幕僚長の作成した方針・計画の大臣による承認、自衛隊に対して大臣が行う一般的監督の3項目を上げている。つまり軍務・官房事務の双方について、大臣と制服組の間に介在していたわけだ)

新しい第十二条:

官房長及び局長並びに防衛装備庁長官は、統合幕僚長、陸上幕僚長、海上幕僚長及び航空幕僚長(以下「幕僚長」)が行う自衛隊法第九条第二項の規定による隊務に関する補佐(大臣に対する補佐なのか、それとも幕僚長に対する補佐なのか曖昧)と相まつて、第三条の任務の達成のため、防衛省の所掌事務が法令に従い、かつ、適切に遂行されるよう、その所掌事務に関し防衛大臣を補佐するものとする。

河東哲夫(かわとうあきお)氏、元駐ウズベキスタン日本大使。

現在、早稲田大学客員教授を務め、ブログ《Japan World Trends》を執筆。

引用文献:河東氏のブログ《Japan World Trends》の2015年6月11日付けの記事から全文を引用。

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