両外相の会談の主な議題はシリアおよびその周辺の情勢。シリア問題に関するロシアの立場は、シリアの主権、一体性、領土保全を支持し、状況の解決を唯一政治的手段によって行うことに終始している。
ラヴロフ外相は、シリア政府と反体制派の代表らとの直接対話の開始の必要性について討議する構え。外務省の声明では「話の中心として、シリア国内の調整の政治プロセスの再開が第1の課題となる。
このほかの重要議題として討議が予定されているのは、テロ集団「イスラム国」「アル=ヌスラ戦線」対策。両テロ集団はシリア領内で影響力の拡大を図っている。
ロシア外務省の声明では「シリアにおけるテロの火種の効果的な排除は、シリア政府の行動および、民族、宗教の違いを超え、万人に快適で安全な暮らしが約束された国としてのシリアの主権、独立、刷新を支持するシリア内外の全ての反体制派の建設的な力をひとつにすることと直結して」おり、両外相の会談ではこうしたプロセスの開始が重要な論点となる見込み。
ムアレム外相のモスクワ訪問は6月30日まで。
先日、シリアのパルミラ遺跡が「イスラム国」の下部組織によって破壊され、国際社会に大きなショックを与えた。パルミラ遺跡はユネスコの世界文化遺産に指定されている。