ゼマン大統領は、「米国人は、自己分析の能力を欠いている。私は、少なくとも、オバマ大統領が50年以上にわたって続いた対キューバ制裁を解除したことで、その自己分析能力が発揮されたことを嬉しく思っている。しかし、理性のある政策というものは、過ちを修正するまでの時間が短く、間違いはすぐに直されるものだ」と述べた。
またゼマン大統領は、「米国は一連の過ちを犯した」との考えを表し、イラク侵攻を例に挙げて、彼らはイラクに大量破壊兵器があると主張したが、イラクに大量破壊兵器はなかった、と指摘した。ゼマン大統領はまた、米国は、「シリア政府軍に対する空爆計画でも過ちを犯した」との考えを表し、米国は、シリア政府軍と戦っているのは民主勢力だとの根拠のない希望を抱いたが、シリア政府軍と戦っているのは、アフガニスタンで掃討作戦の対象となっている「アルカイダ」だった、と指摘した。
ゼマン大統領は、米国が外国で、米国式の政治システムを広めようとしていることについて、「これは完全に無意味なものだ。異なる文化や伝統を持つ国に、自国の政治システムを導入しようとする試みは、失敗した場合には、その国は敵となり、成功した場合には、その国は崩壊させられるという結果に終わるだけだ。集会で、ある市民が私に、侵略者の定義について語った。それはとても興味深いものだった。その定義とは、侵略者とは、米国よりも先に、ある国への攻撃を行った者だ、というものだった」と述べた。
またゼマン大統領は、国際社会にとって現在もっと大きな脅威は、テロ組織「IS(イスラム国)」だとの考えを表した。ゼマン大統領は、IS対策に取り組む国際部隊を早急に創設する必要があると主張している。ゼマン大統領は、「残念ながら、国際部隊の創設を望まない、一連の文明国の恐怖心と愚かさによって、さらに数百人、あるいは数千人の罪のない人々が命を落としている」と語った。ゼマン大統領は、「ロシア大統領は、私の提案を支持した。あとは、他の国連安全保障理事会常任理事国を説得するだけだ。中国の国家主席は、私に、(IS対策における)協力について、オバマ大統領とすでに協議していると述べた。残念ながら、西欧はまさに、懐柔政策の毒に最も侵されている。それでもまだ、彼らにとっては、少ないようだ」と指摘した。