財務相は、EUとギリシャは対等な立場で、債務償還とギリシャ経済改革について合意を達成する必要がある、と語っている。しかしその合意がどのようなものになるかは、国民投票にかかっている。「もし国民投票で「はい」が勝てば、合意は良くないものになる。というより、破滅的なものになる」。EU側から提示されている合意案はバランスを欠いており、そこにはギリシャ経済への融資についての項目がしっかり規定されていない。結果として、合意案は、企業各社に対し、ギリシャへの投資に対する希望を抱かせないものとなっている。このようなものではギリシャの緊張と恐怖感に終止符は打たれない、と財務相。
もし国民投票で「いいえ」が勝てば、ツィプラス首相は強い武器を手に入れることになり、その武器をもって、債権者側との交渉でより良い合意を得られるようになる、と財務相。「正しく理解してほしいのだが、もし「いいえ」が勝ったとしても、何もファンタジーのような合意を結ぼうとは考えていない。我々は、新しい合意が、いま提案されているものほど悪くないようにしよう、と考えているだけだ」。もし有権者が固い「いいえ」の意思を示したなら、ツィプラス首相は月曜、ブリュッセルに飛び、ギリシャにより有利な合意を、債権者と結ぶことが出来る。そうすれば、翌火曜日には、ギリシャの銀行は再びオープンするだろう、と財務相。
財務相によれば、ギリシャの債権者との合意は、国民投票の結果がどうなろうと、結ばれる。ギリシャ経済がもしも破綻すれば、1兆ユーロの損失が出る。スペインのGDPに匹敵する数字だ。「あまりに大きすぎる金額だ。EUがそれを看過できるとは思えない」と財務相。あわせて財務相は、もし国民投票で「はい」が勝ったなら、ツィプラス首相とともに退陣する決意を表した。「私は、私が信ずる限りギリシャにとってもEUにとっても悪い合意に調印をすることは出来ない。私はそのことの共犯とはならない」と財務相。