ソチは、ロシアにとってユニークな場所である。ロシアで唯一の亜熱帯である。これに比較できるものは何もない。専門家によれば、ソチは自らを世界最高の沿岸性気候の保養地であると名乗る十全な権利を有している。ソチは夏季、少なくとも500万の観光客が訪れる場所である。ロシアからばかりではない。年を追うごとに、近い外国・遠い外国から、ますます多くの客が訪れるようになっている。しかし2014年の五輪のあと、この街には、冬季も多くの観光客が訪れるようになっている。ソチのゲレンデはいま、プロばかりでなく、レベルの様々なアマチュアをひきつけている。そう語るのはロシア新聞副編集長ニコライ・ドルゴポロフ氏だ。
「ソチは今も私をその唯一無二性で感動させている。7月でアルペンスキーのシーズンは終わったが、数ヶ月前は、ソチでもう気温が17-18度になり、おそれを知らない者たちが既に水泳を始めていたとき、上ではアルペンスキーのシーズンが続いていた。このシーズンで何が感動的だったかって、そこで滑っていたのが何も勇者だとか、スポーツの達人だとか、山岳スキーヤーだとかでなくて、まだスキーを始めたばかりという人たち、滑ってみたいという人たち、ソチに家族連れで来たような人たちだったことだ。あらゆる人にアクセス可能なコースだ。ソチほどアクセスしやすいコースをもつ場所はどこにもない」
五輪によって、昔から語られてきたソチのよさが、新たに照明を当てられた。ソチは、健康を回復し、あるいは単に体を浄化するのに、最良の場所だ。そう語るのは観光会社「ソチの紺碧の岸辺」理事アレクサンドル・コプテリジ氏だ。
「人々はここへ、休みに、休養しに、健康を回復しに、訪れる。多くの人が、硫化水素浴をしに訪れる。骨格・筋肉系の疾患を癒すための、ユニークな施設がある。たとえば、椎骨に故障を抱える人を助けるための、プールや、水中椎骨牽引法というものがある」
しかしやはり重要なのは、他にはない気候であろう。ソチは、海と山が融合し、人間にユニークな世界を贈る場所なのである。
今日ソチという街は、現在存在する問題にも関わらず、第二の誕生を迎えている。黒海沿岸の「海の真珠」はロマンチックなカップルも、家族も、一人旅の愛好者をも惹きつける。