香港株式市場も肯定的な動きを示した。日本の日経株価は0.1%弱、トピックスは0.5%という下げ幅だった。中国本国の上海総合指数は5.7%上昇、深セン総合は4.5%上昇した。しかし、総計すれば中国市場の資本の50%を占める1439社の株式は、依然として停止されたままだ。専門家によれば、近い将来、中国政府の安定化策により、パニックは沈静化する。ただし、情勢は当面、非常に不安定なままだという。そして、今月12日のEUサミットで、ギリシャについて最終的な決定が取られる可能性があることも、考慮から外すことは出来ない。
「ギリシャはうまくいけば欧州経済の状態に影響を出すだけで済むかも知れないが、中国経済は世界の全ての国に多大な影響を及ぼすだろう。多くの国が中国の投資を待ち設けているのだから。実はいま、中国は、数多の構造的危機を抱えている。たとえば、中国経済の投資は飽和状態であり、不動産・建設市場ではバブルが膨れ上がり、市民は中国の銀行から大量のクレジットを借り出している。つまり、ひとつひとつはそう大きくない数々の危機が合わさって、中国経済を不安定にしているのだ。中国は2012年以降、状況を変えようと務めてきたが、時間が足りなかった。それに、むろん、今回の不具合の発端となった上海および香港市場への期待が裏切られたことも理解しなければならない」
投資家らは中国関連の株式を手放したがっている。一方で投資家らは、ギリシャ情勢をも注視している。債権者らはギリシャに対し、新たな融資と引き換えに経済改革を行うことを提案するため、今週一杯という期限を与えた。新たな融資が受けられなければ、ギリシャはユーロ圏から脱退してしまうかも知れない。ユーロの対ドルレートは今のところ安定しているが、「避難先通貨」としての円が強まっている。円高は日経株価指数に否定的に影響し、日本の輸出企業は不満顔だ。まとめると、今、市場は中国および欧州の情勢の推移を待って、極めて不安定な状況にある。