インドとパキスタンの間の確執というのは、長年にわたり上海協力機構において両国のステータスを上げることを邪魔してきた。しかしこの確執は取り除かれた。まず、インドとパキスタンは近年お互いに明らかに歩み寄っている。そして上海協力機構の中にこのようなコンセンサスが生まれた。加盟国の間に意見の相違があるからといって、それは上海協力機構のドアを閉じたままにしておくことを認める口実にはならない、というものだ。ラブロフ外相が記者らに話したところによると、現在の上海協力機構には、互いに意見が一致しない国同士も加盟している。むしろ上海協力機構は、彼らの矛盾を最大限に地ならしし、困難な問題について討議することを助け、合意に至れるような場を提供し、雰囲気づくりを行っており、ラヴロフ外相のこうした命題は、上海協力機構内の他のパートナーともわかち合われているようだ。
「上海協力機構の第五回サミットにおいて、インドが上海協力機構の中でより高いステータスを占めたいと願っていることについて、他のメンバーは評価を与えることになるでしょう。もちろん上海協力機構の拡大、新しいメンバーの常任国としての受け入れは、定められた法的プロセスにのっとって行われなければなりません。新しく常任加盟国になる国は、上海協力機構の枠内で定められた協力についての文書を遵守しなければなりません。インドは経済発展をとげつつある重要な国です。私たちは、インドのステータスの向上が上海協力機構の経済協力にプラスに働くことを願っていますし、中国の、シルクロード及びユーラシア経済同盟におけるプロジェクトの統合に良い影響を与えることも期待しています。」
ロシアはインドやパキスタンのように地政学的に重要なプレイヤーが、上海協力機構をより強く、影響力のあるものにするだろうことを計算に入れている。インドとパキスタンのステータスの向上が、ロシアが議長国であるときに起こったということは、象徴的である。両国が常任国として加盟したことで、上海協力機構の地域的・経済的な支配が拡大するだけでなく、各地域でのテロ行為のような、難しい地域問題を解決できる可能性も出てくるだろう。