———北海道とロシアの経済的な結びつきについて、北海道選出の議員としてどう見ますか。
日ロ関係の安定、発展というのは双方の国益に資する重要なものだと思っています。特に北海道という観点で考えると、ロシアの極東地域は北海道と同じで寒冷地域ですから、農業技術・上下水道に関わる寒冷地技術を始めとした、インフラの部分で日本側が技術提供できます。その一方日本がどうしても弱いエネルギー分野において、サハリンをはじめロシアから日本側が助けてもらうという可能性があります。需要と供給とが非常に合致している珍しい、かつ重要な例ではないかと思います。
———日本側、北海道側から供給できるものとして、以前は中古車がトップでしたが、今は少なくなっているようです。何か中古車の代わりに北海道から輸出できるものは?
中古車については、私もサハリンを訪問したとき日本車が非常に人気だったので驚いた経験があります。現在も北海道でみると、北海道から輸出をしている物のうち6割近くが中古車です。なので未だに中古車の需要・供給というのは両国間で大きい割合を占めているはずです。平成26年度の貿易バランスを見ても、北海道からロシア極東に輸出している物のうち6割は中古車です。また、商品ではないですが、先に述べた寒冷地特有のインフラ面の技術提供が、今後両国間の貿易において重要な位置を占めてくるのではないかと、期待しています。最近だと道路の防風雪の分野で、北海道の企業がロシアへ進出し、好評を博していると聞いています。サハリンへは何度か訪問していますが、年を追うごとに街の活力が増し、目に見えて生活水準も良くなってきています。今後もサハリンがインフラ整備に力を入れていくことは確実でしょうから、そういったときに日本の存在感が発揮できるだろうと思います。