The Daily Mailは合わせてマーガレット・サッチャー元首相の言葉を引いている。サッチャー氏は、冷戦時代に化学兵器を保有しないことは極めて「軽率」なやり方だ、と述べていた。
秘密オペレーションを実施したのは英国政府付属のポートダウン軍事研究所(ウィルトシャー州)だという。
ケント大の主任現代史学士ウルフ・シュミット教授によれば、十万人の英国市民が1953年から11年間にわたり、知らないうちに生物・化学兵器の犠牲者となっていた。
シュミット氏によれば、さらに、秘密の実験は、1939年から1989年の間、兵士2万人に対しても行われていた。つまり、兵士たちが実験台になっていたのである。実験への協力者は運賃無料や公休など、何らかの見返りを受けていたようだ。1999年には、以前にそうした実験に参加していた軍人の死亡について、捜査が行われた。実験に参加した軍人の多くは、その実験は風邪に対するワクチン等の実験だ、と考えていたが、実はマスタードガスや幻覚剤を投与されていたのだ、とThe Daily Mail。