ロシア上院でも流し網漁禁止法案が通過したことで、北海道、特に道東地域は落胆しており、今後の見通しを早急に考えていかないといけないと思っています。このような中にあっても、日ロ間にはソ連時代の日ソ漁業協定のように、他国との間では見られないような「超法規的」な枠組みや二国間で独自に築いてきた漁業の文化と歴史があるので、これを維持していくのが重要になってくると思います。もう一点協力できることといえば、海洋資源についてです。現在、日本だけでなく各国が海洋資源、水産資源に対して厳しく対応するようになりました。例えば、日ロ両国が連携して、海水温の上昇の原因を突き止めたり、実際にどういった漁法が水産資源に影響を及ぼしているのかといったようなことを、共同で研究することもできるのではないかと思います。
日本は技術大国ですが、エネルギーには恵まれていません。ですからエネルギー大国ロシアと今後いっそう手を取り合っていくということは、両国の将来の大きな希望の一つだと思っています。特に今、一大エネルギー基地としてのプロジェクトが進んでいる北海道の石狩湾新港では、LNG火力発電3基で、泊原発に見合うだけのエネルギー供給ができます。3.11で原発の恐ろしさ、リスクというものを目の当たりにした私たちとしては、今後エネルギー政策は、いかに安心で、将来に責任が持てるかということをベースに研究していかなければいけません。するとやはり目の前のサハリンから、ガスパイプラインを北海道に引いてくるという選択肢がベストです。安全で安定したエネルギー供給ができるということは北海道、日本にとってもちろんプラスですし、ロシアにおいても貿易のパートナー、経済パートナーとしての日本というものが見えてくるのでは、と思います。
鈴木貴子衆議院議員
鈴木貴子衆議院議員