拉致問題交渉を極秘にすることを望む日本政府

© REUTERS / Toru Hanai拉致問題交渉を極秘にすることを望む日本政府
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日曜日、日本の谷内正太郎国家安全保障局長は、モンゴルの首都ウランバートルで、同国のツァガアン・ダリ・エンフトゥヴシン安全保障会議事務総長と重要な会談を行った。

日本と北朝鮮 拉致問題に関する極秘協議を実施 - Sputnik 日本
日本と北朝鮮 拉致問題に関する極秘協議を実施
エフトゥヴシン事務総長は「モンゴルは、1970年代から80年代にかけて北朝鮮の特務機関により拉致された日本人の行方を究明する作業において、仲介的努力を続けていく」と約束した。

モンゴルでの会談を報じた共同通信は、さらに「すでに今年5月も、日本と北朝鮮は、拉致問題に関する秘密交渉を行った」と伝えている。

モスクワ国際関係大学の上級研究員、アンドレイ・イワノフ氏は「こうした交渉が秘密裏に行われていることは、良い兆候だ」と指摘し、次のように続けたー

「どのような複雑で困難な国際問題も、それが領土問題であれ拉致問題であれ、それらは世論の関心を強くひきつける。2001年に金正日氏が、ピョンヤンを訪問中の小泉首相との会談で、日本人拉致という事実を認めた時、日本のジャーナリスト達は、大量の記事を書いたが、その多くは、感謝でなく大きな怒りを表すものだった。もちろん、北朝鮮の特務部隊が平和な時代に、何の罪もない日本の一般市民に実行した拉致行為は、十分に非難され憤激の理由となってしかるべきだが、金正日氏が、そうした犯罪を認め、拉致された人々を帰還させる用意のある事を示したことが、賞賛に値することも疑いのないことだろう。しかし賞賛や日本の投資の代わりに、金正日氏が得たものは、厳しい批判と拉致した人々全員の即時帰還だった。北朝鮮が、すべての拉致被害者を帰すことはできない。なぜなら一部の人達はもう亡くなられてからだと説明した時も、おそらく日本に送られるエージェント養成のために利用され極秘情報に通じているため、生きていても隠されているのだとの非難が巻き起こった。

日本のマスメディアが提起した諸問題をめぐる騒ぎは、日本や北朝鮮の外交官及び専門家の作業を本質的に困難なものに変え、非常に残念なことに,日朝関係正常化のプロセスにブレーキがかかってしまった。」

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ロシア人専門家、日本と北朝鮮は拉致問題の人質となるべきではない
このように指摘したイワノフ上級研究員は、さらに次のように指摘したー

「日本の一般的社会通念は、日朝国交正常化は必要だが、まず何よりも北朝鮮当局が、日本からの投資を必要としているというものだ。しかし実際上、日本は少なくとも、それに劣らず正常化を求めている。

第一に、北朝鮮に進出した韓国企業の成功例が示すように、規律正しく熟練度もかなり高い労働力を持つ北朝鮮への投資は、日本企業にメリットを約束している。

第二に、日朝関係正常化により、日本人が、あからさまに口にし、自分自身で信じている、所謂『北朝鮮の脅威』なるものへの不安が低減される。

第三に、北朝鮮当局との間の経済交流や政治対話の発展は、韓国のみならず中国との関係における日本の立場を強めるだろう。これは特にアクチュアルな利点だ。なぜなら韓国及び中国と北朝鮮の関係は今、ベストとは言えないからだ。北朝鮮は、中国政府に対する自分達の依存度を弱める事を目指しているし、保守的な韓国政府は、前任者のイ・ミョンバク政権の際入りこんでしまった袋小路から南北関係を抜け出させるような正しいトーンを、北との接触の中で全く見出せないでいる。

恐らく日本の公式筋は、拉致問題の交渉に注意を向けさせないよう務めているのだろう。なぜなら2000年代初めに許してしまった過ちを繰り返さないようにだ。今すべては、センセーショナルな報道や暴露記事に飢えた日本のジャーナリスト達が、どのくらいそうした過ちを自覚しているかにかかっていると思う。」

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