両銀行が協力すれば相乗効果が得られるに違いない、と財務大臣。両銀行とも発展途上国によって創設されたものであり、世界中のインフラ建設を促進し、グローバルな経済統治システムの改革を支援するという共通の目的を持っている。
グローバルな金融・銀行システムを新たな方向に展開させるという目標は、大分以前から唱えられている。そう語るのはロシア科学アカデミー極東研究所のヤコフ・ベルゲル氏だ。
グローバルな金融・銀行システムを新たな方向に展開させるという目標は、大分以前から唱えられている。そう語るのはロシア科学アカデミー極東研究所のヤコフ・ベルゲル氏だ。
「多元主義という方向への転換、または世界銀行およびIMFという米国が支配するヘゲモニーの解体という方向への転換だ。発展のための、様々なプロジェクトへの融資のための代替手段の構築、多極世界という理念の実現だ。南アフリカとブラジルは、もちろん、中国・ロシア・インドより経済的に弱い。しかし皆一緒になって、BRICS銀行においてバランスをもたらす。それに、銀行は新たなメンバーに対して開かれている。こうした銀行が存在することそのものが、力の中心の分散に対する貢献であり、世界の金融システムにおける西側のヘゲモニーから離れる一歩である」
中国はBRICS諸国の中でも最大の経済規模を誇る。すなわち、銀行の活動の中でも、中国が極めて重要な役割を演じることになる。この点に関し、スプートニクの取材に答え、中国BRICS研究所副代表のジャン・ユアンジェ教授は次のように述べている。
「中国はこの銀行を通じて発展途上国に経済支援を行い、投資を行い、インフラプロジェクトを支援する。これが経済協力の基礎を強化する。いわば、開発銀行はBRICS内部の協力を担うメカニズムというだけでなく、BRICSと他の発展途上国の協力をも担う合同メカニズムなのである。さらに、途上国の国益を代表するBRICSのおかげで、国際社会における途上国全体の発言権が増大するのだ」
ロシアを代表して銀行の副総裁に就任したウラジーミル・カズベコフ氏が銀行のオープンに際して述べたところでは、開発銀行が投資を担う案件の選定は年内に始まる。また、先にロシア経済発展省のアレクセイ・ウリュカエフ大臣は、開発銀行の投資案件への融資は2016年第1四半期に始まる、と述べている。ロシアも投資候補となるプロジェクトを複数提示している、と大臣。