インドの捜査当局はこのアカウントがムンバイのファハド・シェイフという青年のものであることを突き止めた。この青年は昨年、アリブ・マジド名義でイラクに渡航し、イスラム国の戦列に加わっていたことが分かっている。青年は数か月後にインドに帰国し、SNS上でプロパガンダ活動を始めた。インドの特務機関によれば、アカウントが閉鎖された後も、異なる名義で新しくいくつかの「インターネット・イスラミスト」アカウントがオープンしたという。
インドのムスリム青年たちに対するイスラム国の影響力の大きさはどれほどなのか。インド内務省はこの問題を討議するため、近く特別会合を開く意向だ。情勢を分析し、イスラム国の脅威に立ち向かう方策を考えるために、インド10州より、警察および諜報機関の代表らが招かれる。
内務省は会見で、次のように述べている。「イスラム国のイデオロギーは相当広く拡散しており、高等教育を受けた若者らの間に反響を呼んでいる。我々は、この問題の大きさと深さを把握しなければならない。必要なのは詳細な分析、予防措置の策定だ」。
インドのムスリム人口は1億8000万。イスラム国としては、自らの影響力を広めたい国の筆頭だろう。しかし今のところ、イスラム国は、インドの国家安全保障上の直接的な脅威とはなっていない。そう語るのはロシア戦略研究所のボリス・ヴォルホンスキイ氏だ。
「イスラム国の第一段階の課題はシリア、イラクに片を付けることだ。それが終われば、もっとも、そもそも終わりがあるとしての話だが、次なる標的はアフガニスタン、中央アジア諸国、そして望むらくはパキスタン、というところだ。これらの橋頭堡を手に入れたあかつきには、彼らはもちろん、インドを脅かすだろう」
先週末、スリランカのイード祭で、イスラム国の旗が掲げられた。しかし捜査によって、旗を掲げた数人の若者は、単にカシミールの治安当局を愚弄するためにインターネットからイスラム国の旗の画像をプリントアウトしただけだということが分かった。
インドの諜報機関によれば、インドにはテロ活動の脅威が残ってはいるが、イスラム国と地元過激派組織のつながりはまだ生まれてはいないということだ。