報告書はロシア外交政策古文書館が提供したもの。8月5日、日本国民にとって大きな悲劇が起きたこの日に合わせる形でモスクワ国際関係大学の円卓会議で初めて一般に公表された。歴史研究家らは、大使の報告書は「あまりに価値の高い資料。今まで見たこともない力と分からない種類の兵器に遭遇し、生き残った一般市民の状態を鮮烈に描いている」と高く評価している。
ロシア議会下院のナルィシキン議長は、1945年の原爆を味わった日本の記憶はナチスの極悪の記憶に劣らず重要であり、それを罰せずともよいという幻想はあまりにも重い結果をもたらしかねないとして、次のように語っている。
「第2次世界大戦時、日本は中国他アジア諸国に対し、少なからぬ戦争犯罪を犯した。だが国際社会は相応に、そして一番大事なことに、文明的に日本の攻撃性に答えた。東京裁判とハバロフスク裁判の判決がそれだ。このため米国側から日本の一般市民をこうした攻撃にさらすことは許されることではなかった。なぜなら『広島と長崎の市民はこうした犯罪に何の関わりももっていなかった』からだ。」
ナルィシキン下院議長は、米国の行為を問いただす国際軍事法廷の創設の必要性を取り上げ、米国の行為は当時、人道性にも軍事的な必要性にも条件付けられたものではなかったと指摘した。
今年日本は原爆投下から70年を迎えている。広島と長崎ではそれぞれ8月6日と9日に、45万人を超える人命を奪った悲劇を忘れまいとする平和の行進が行なわれる。