日本の投資の状況について、ラジオ・スプートニクのリュドミラ・サーキャン記者は、ロシア工業団地協会顧問の大橋巌氏の御意見を伺ったー
「ロシアは去年、あるいはおととしから、成長率が低くなっている。これは古い成長モデルの仕事が止まってしまい、新しい成長モデルができていないからだ。新しい成長モデルを、どのように作ってゆけばよいか、我々外国人から見ると、それは大変クリアだ。
まず第一に、マーケットの成長の可能性がどれだけあるのかを、ロシアの人達が日本人に対して見せなければならない。我々は、十年後、二十年後に、どれくらいの大きさのマーケットになっているか、そのために努力するという事を示さないといけない。そうすると、日本人は、ああそうかと理解できる。
もう一つは、具体的に投資関係を良くしたり、インフラを良くしたりすることだ。日本企業や外国企業がここで働きやすい環境を、ロシアの政府や企業と一緒になって作ってゆくこと、子の二つが、できれば日本企業はロシアに関心を持って、必ず投資するようになる。
優先発展特区はとてもよい。よく世界のモデルを勉強して、それに近いものを作ろうとしているから、この努力は大変高く評価すべきだ。ただ本当にどうなってゆくかは、極東は、もちろん大変難しい場所なので、いろいろな問題がある。例えば、電力料金がとても高い。このようにいろいろな問題があるので解決しなくてはならないが、今のような努力を続けてゆけば、ある時から必ずよくなると思う。」
「我々にとってフォーラムとは何か? この一年半の間、極東が投資家達にとってますます魅力的な場所になるように、ロシア政府、地方当局、多くの人々によって、非常に大きな仕事がなされたが、我々は、まさにそうしたことの上に立って、事を進めている。現在重要なのは、極東がどんな風に変わったかを人々に物語ることだ。なぜ極東は実際、投資のために開かれたのか、なぜ、そこに投資することが世界のほかの場所よりも、もっと効果的なのか、物語る必要がある。現在、ロシア人でさえ多くの人が、このことを知らない。
外国人投資家について言えば、このことに関する知識はさらに低い。我々のもとには、我々がすべてを理想的にしたなどという幻想はもうない。どのようなことも、完全に可能だ。それゆえ、我々にとって、自分達のしていることは正しいか、修正すべきところはどこか、外国の投資家達の意見に耳を傾けることには原則的な意味がある。それゆえ、投資問題の解決に取り組む、聞く耳を持つ人間となることが必要だ。」
ロシアと日本の協力の最も成功した例は、サハリン・プロジェクトの現段階に見ることができる。クリルでも、この前例に倣うことができるかどうか? それは時間が教えてくれるだろう。そしてこの場合、もし経済的な関心が、政治的なものに優先するならば、それは可能だろう。