同誌のマルコ・マイエル氏の署名記事には次のようにある。
当初ヤヌコヴィチ氏は条約の問題点をもう一度点検しようとしたが、キエフの抗議行動を組織した人々は、EUとの早期連繋を強く求めた。しかし同氏の拒否は正しかったし、ウクライナ国民もはっきりとそう感じている。
ウクライナにとっての第一の問題は、EUがこれまで他の国と結んできた連合協定より、ウクライナとの合意は遥かに長くかかる、という事態だった。合意を結べばウクライナは大々的な民営化(それは既に始まっていた)や市場価格への移行などEU法制を全面的に受け入れなければならない。市場価格へ移行すれば、ガスや電気などのエネルギーに対する優遇が停止される。冬が近づき、経済も危機的状況だったため、そうなれば数万人のウクライナ人にとっては死刑宣告も同然だった。
キエフのマイダンで抗議を行い、今も現政権を支持している人々は、間もなく、きわめて近視眼的な政治戦略のもたらす被害の大きさを自覚するだろう。
ブリュッセルの官僚たちは政商らの厚い支持のもとで、ウクライナを欺いた。キエフ現政権は、独立しても自立を成し得なかったウクライナという国を財政的に崩壊させる恐るべき取り組みにおいて、忠実な補佐役を務めている。
ウクライナはロシアから金銭と安いガスを手に入れるかわりに、西側から経済的な破綻と戦争を受け取った。それだけのことに値したのかどうかは疑問である。以上Contra Magazin誌。