ビリングズ氏は、「私たちの惑星の周辺を約1300基の稼働中の人工衛星が密度の高い環となってまわっている。これらの衛星は、グローバル衛星通信、衛星測位システムGPS、天気予報や軌道監視システムなどに使用されている。そのうちの複数の衛星から得られる情報に頼っている軍にとって、宇宙は最も高い場所にある拠点となった」と指摘している。
ビリングズ氏によると、米国は宇宙空間における「山の王」であると感じている。そして今、ロシアと中国は、宇宙における米国のトップの座を得ようとして、独自の軍事・宇宙プログラムを策定しているという。
ビリングズ氏は、宇宙の共同開発はなぜか争いを引き起こしているとの確信を示し、その争いは「地球の全ての宇宙インフラを麻痺させることができるかのようだ」と指摘している。
なおビリングズ氏は、人工衛星と「戦う」方法を挙げている。それは、光デバイスに塗料を塗って故障させたり、宇宙ゴミと衝突させるというものだ。
ビリングス氏はまた、米国が宇宙兵器の開発と使用を禁止する国連条約の検討と批准に向けたロシアと中国の努力を妨害していると指摘している。米国はこの案に代わって、EUで策定された宇宙活動に関する国際行動規範を採択することを推し進めようとした。しかしロシアと中国だけでなく、ブラジル、インド、南アフリカ、イランの代表者たちも、このような行動規範の条件を受け入れることはできないとの考えを表した。