インドネシアの労働者運動の活動家らは、自分たちには環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉への参加権を与えられなかったとして不服を表している。インドネシア人労働者が特に危惧しているのは合意の一部に、企業には将来の利益に損失を蒙る可能性があることを理由に、政府を裁判にかける権利が与えられている点。
ロイター通信はインドネシア連帯センターのショーン・バイダー=ブラウ執行役の説明を引用している。バイダー=ブラウ氏は首都ジャカルタの南60キロのボゴル市で10日、インドネシア連帯センターの主催で、全世界の外国人労働者の専門家200人以上を集めて開かれた外国人労働の会議の開会式で演説した中で、次のように語っている。
「この巨大な貿易合意のあらゆる条項は投資家と国の間の論争の調整にかかわるものであり、もし政府が企業生産物の販売によって国民が損失を蒙るとして、自国民を擁護した場合、多国籍企業に政府を相手取り、裁判にかけることを許すものだ。」
「グローバルな貿易合意では、企業の権利は万人を束ねる、法で擁護された権利と見なされるが、これらは人権には似ていない。」
「同時に投資家の権利は固く守られており、人権が関与できるのは法的拘束力を持たない付加的な合意および勧告的な多方向のプロトコルのみで、人権の行使は全く管理されないものとなってしまう。」
米国労働代表事務所は新法について、国と投資家間の論争解決に向けたもので、これによって国家間には紛争がおきず、外国にいる市民は擁護されるとしている。新法の重要な課題はまた、投資家に法の支配に遵守するよう示すものとされているが、活動家らはこの条項は、給与拡大を起こさぬ目的で国への圧力の行使に利用されると確信している。