チェコ人作家リュドヴィク・アシュケナージの同名小説をもとに、犬のブルートの物語を通じて、ホロコーストと第二次世界大戦の惨禍を描く。ニュルンベルク出身のユダヤ人である飼い主が逮捕され、犬が奪われる。のちブルートは調教され、ドイツのとある強制収容所で警備犬となる。
「非常に残酷な、しかし絶対的に平和主義的な映画となる。観客に犬の皮膚をかぶせ、人間がいかに簡単に洗脳され、化け物になってしまうかを示すのが目標だ」と監督は言う。
ファム氏によれば、「世界に対する犬的観点」を表現するのに、様々な撮影技法が駆使される。オペレーターを担うのは『ベートーヴェン』のブルース・アラン・グリーン氏(米国)。