「ベルジャーエフ講座」は、ロシアとアジアの発展問題をテーマに毎年開かれているフォーラムだ。 17日その4回目となる会合が、ウラジオストクで、ロシア、インド、中国、韓国、マレーシア、シンガポール、トルコそして日本などから40人を超す様々な学者、政治問題の専門家らを集め幕を上げた。
日本の歴史・政治学者で 上智大学国際教養学部国際教養学科.準教授の安野正士(アンノ・タダシ)氏は、インタビューの中で「ウクライナ危機が、この一年の間、日ロ関係に否定的な影響を与えた」と指摘した後、おおよそ次のように述べられたー
「とはいえ、日本人達は現在、中国の増大するパワーに不安を感じており、多くの日本人は、ロシアを、安全保障上の潜在的なパートナーと見ている。若い日本人の間の対ロシア感は、ゆっくりとではあるが、改善しつつある。私には、日ロ関係が今後発展する可能性は大きいと思われる。
安倍首相は、今年6月にドイツで行われたG7サミットで、西側世界は、ロシアと対話を続けなくてはならないと主張し、もし西側がロシアに敵対的に接するならば、ロシアと中国の同盟が出来上がってしまうと指摘した。それは、西側世界全体にとって余りよいことではないゆえに.、安倍首相はそう主張したわけだが、これは日本人の大部分の意見を反映している。
日ロ間の領土問題は現在に至るまで解決されていないが、現在日本にとって最も重要なことは、拡大しつつある中国の軍事力というコンテキストにおける安全の保障だ。この面においても、日ロ間の協力の可能性が存在する。
我々は、中国がロシアにとって大変重要なパートナーである事を理解している。しかしそれでもやはり、日本とロシアは、政治リーダー、学者、文化人の間での対話を強化できると思っている。特に、北東アジア地域の安全保障問題において協力できると考えている。」