専門家のマシュー・バロウズ氏とロバート・A・マニング氏は、雑誌ナショナル・インタレストに掲載された論文「アメリカの最悪の悪夢:ロシアと中国が近づいている」の中で、「現在の露中関係は、過去50年間でかつてないほど緊密であり、両国には世界秩序を自分たちの好みでつくり直すチャンスが与えられている」と指摘している。
リチャード・ニクソン氏とヘンリー・キッシンジャー氏が、露中間に楔を打ち込むことに成功した時代は過去のものとなった。現在ロシアと中国は、生まれながらの同盟国としての立場を取りながら、協力の恩恵を受け、同じような問題に直面しながら、多極世界の枠内で互いに有益な解決策を見つけることに関心を持っている。
バロウズ氏とマニング氏は論文の中で、次のように指摘している-
「ロシアのエネルギーの長期的な未来はアジアにあり、5000億ドルにのぼる中国とのガスや石油の契約はロシア経済を強化するだろう。中国は競争の代わりに、中国経済の未来として考えているユーラシアの安定と近代化にとって貴重なパートナーを得るだろう。中国は新たなスローガン『一帯一路』と共に、自国の弱点である14カ国の境界を戦略的資産にすることを目指すだろう」。
バロウズ氏とロバート・A・マニング氏は、順調にいっている露中の協力関係が、ユーラシアの他の国やアフリカ、ラテンアメリカの国々の関心を引くに違いないとの見方を示している。