ワシントンにある「フォーリン・ポリシー・イン・フォーカス」誌のコラムニスト、コーン・ハッリナン氏はこれについて、米国政権は中東情勢が米国にとって深刻な政治的結果をもたらしうることを認めようとしていないと指摘した。ハッリナン氏は、米国は「イスラム国」との闘いについて多くを隠蔽しているとの見方を表している。米国防総省は中東における独自の標的を追っているというわけだ。
「ペンタゴンは常に信憑性の高い情報を流している、またはそこで何が起きているかを包み隠さず話していると自慢することができない。軍部は『イスラム国』に反対するキャンペーン情報を改ざんしている。なぜなら武装戦闘員らの拠点に対する空爆を続ける構えだからだ。代替案はシリアないしはイラクへ軍を派遣することだが、軍部はこの案を検討しようとはしていない。なぜなら米国ではこうした措置を支持する者は誰もいないからだ。米国政権は中東状況が米国にとって政治的に深刻な困難をもたらすものになりかねないことを認めようとしていない。シリアないしイエメンの軍はこうした困難の解決には全く助けにならない。空爆作戦が功を奏したことは決してなかった。」ハッリナン氏はRTからのインタビューに、こう語った。
米国の「イスラム国」に対する空爆キャンペーンは今年8月で開始から丸1年を迎えた。この間、およそ5000回の空爆が行なわれたが、米議会は中東における戦闘行動の停止を問う投票を未だに行なっていない。米マスコミは、違法な軍事キャンペーンを1年間にわたって行なったことについて、憲法による抑制と平衡力の体系が浸食されていることを示す新たな兆候だと指摘している。