およそ5千頭のセイウチが、ロシア領チュコート半島の岸辺に、数千頭が、その対岸の米国領アラスカの村ポワント・レイの海辺に集まっている。なぜセイウチがこうした行動をするのかについては、まだはっきり分かっていない。
最初にセイウチが、大挙して集まったのは2007年の夏の終わりの事で、その後これまで9年の間に、7回こうしたことが連続して繰り返された。今年はまだ、岸辺に上がったセイウチが何頭か、集計が済んでいないが、昨年は、3万5千頭以上だった。専門家らは、セイウチのこうした行動は、世界的な気候変動と直接関係があると捉えている。
専門家の説明によれば、セイウチの異常行動の原因は、チュコート海で北に移動する海氷(氷山)が溶けている事によるもので「こうした状況は海洋生物の絶滅につながる恐れがある」と懸念されている。アザラシと違って、セイウチは、長い間泳いでいられない。時々、氷山の上にあがって休む必要がある。加えてメスは、子供を産む場所として氷山を利用している。