ガス田は、地質調査プロジェクト「ズフル」の枠内で発見された。ガス田はエジプト海上鉱区の深さ1450キロにあり、その面積は100平方キロメートル。エニによると、このガス田には約30兆立方フィート(8500億立方メートル)のガスが埋蔵されていると見られる。エニは埋蔵量を確認し、開発を行うために、インフラ建設を早急に開始すると発表した。
「我々は世界の海洋に関する統計分析を行った。それによると、鉱床で生産を開始するまでには平均でおよそ20年、それ以上の期間がかかっている場所もある。一方で、もっと早く生産にたどりつく鉱床もある。例えば、カスピ海のユーリー・コルチャギン鉱床は、10年で生産を開始した。地中海の自然や気候条件を考慮した場合、10年後に生産を開始する可能性もある」。
地中海におけるガス探査は、1990年末から行われている。この間にイスラエルやキプロフ沖などで、小規模なガス田や比較的大規模なガス田が見つかった。その中で一番大きなガス田は、イスラエルとリビアの海の境界の近くにあるリバイアサンガス田だ。同ガス田の推定埋蔵量は、4500億立方メートル。
「実際に中東ではエネルギークラスターが形成されつつあるように思われる。なぜなら近年、特にイスラエルの大陸棚など、同地域では一連の鉱床が発見されているからだ。そして今回、エジプトの大陸棚で新たに大規模なガス田が発見された。このガス田は、独特のカテゴリに属している。またこれは初めて見つかったガス田でもなければ、最後のガス田でもない。他のガス田が見つかる可能性もある。もちろん世界のガス市場における競争は高まるだろう。しかし『ガスプロム』は、論理的にこのプロジェクトに加わることができる。ガスプロムは世界の多くの国で活動しており、非常に豊かな経験と資源を有している。だから可能性はあるだろう」。
エジプトのガスの消費量は、アラブ諸国の中でトップだ。今年8月、エジプト大統領がロシアを訪問した際に、ロシアの「ガスプロム」および「ロスネフチ」は、エジプトへの液化天然ガス(LNG)の供給契約を獲得した。