ホワイトハウス、北京の祝賀については知らされていない

© REUTERS / Damir Sagoljホワイトハウス、北京の祝賀については知らされていない
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ホワイトハウスは、北京での第2次世界大戦終戦70周年記念式典に関して「中国の壁」に阻まれた。アーネスト米大統領報道官は、習国家出席指導部の祝賀プランについて何も知らされていないことを率直に認めている。特に3日の軍事パレードについて全く知らされていない。アーネスト報道官は8月31日、大統領用旅客機の機内で行ったブリーフィングで米のこうした立場を語った。

こうした事実を知らないことを認めるのは狡猾で、回答をあからさまに逃れ、このテーマに全く触れたくないという態度に近い。9月3日、この記念日を祝うために各国の元首、政府のトップが30人近くも北京に集まることを米大統領報道官が知らないはずはない。アーネスト報道官は、そのなかにはプーチン大統領も上海協力機構のほかの参加国の指導者らも、またパキスタン、ベトナム、モンゴル、ミャンマー、エジプト、南アフリカ、ベネズエラ、スーダンの各国の大統領も、カンボジア国王も出席することは必ずや知っているはずだ。また韓国大統領も北京を訪れるが、軍事パレードに参列するかどうかは確定していない。

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アーネスト報道官には北京には国連のパン・ギムン事務総長も主席することは知らされているはずだ。米国の最も近しい連合国である日本も事務総長の訪中に憂慮を示し、これが国連の中立性を侵しかねないという声明まで出されている。

米大統領が自分の報道官に、西欧、日本、韓国のパートナーらに北京の祝賀出席を無視するよう執拗に勧めたことを知らせないことがありえるだろうか? あるはずはない。8月28-29日、米大統領の右腕であるスーザン・ライス大統領補佐官国家安全保障担当が北京を訪れており、ライス氏が中国指導部と行ったあらゆる会談のなかでは、習国家主席との会談でも、太平洋戦争対日戦勝70周年のテーマや軍国主義日本を大破するなかで、折り返し地点を決める際に中国がなした貢献については取り上げられていたからだ。こうした会談の内容をアーネスト報道官が知らない可能性があるだろうか? ないはずだ。情報に通じるというのは報道官の職業上の義務であり、特にライス氏が9月、ニューヨークでホワイトハウスの主と習国家主席が行う会談の準備をしにいったのであればなおさらのことだ。このためホワイトハウス報道官が北京の国際的な祝日や天安門広場での軍事パレードについて知らないといったのは、単にいんちきをしたのではなく、当然嘘をついたのだ。報道官は記者団の質問に相当な不意打ちをくらったのだろう。

中国の中国社会科学アカデミー、米国研究センター の専門家、チタオ・ヴェンチジャオ氏はラジオ「スプートニク」からのインタビューに答え、北京の行事についてアーネスト報道官が知らないと態度をとっていることについて、次のようにコメントしている。

「私はこれは回答を避けるためのトリックだと思う。今年、ファシズムに対する戦争の戦勝70年が祝われている。この記念日に関係があるあらゆる国、それはまず戦争での主要な連合国だが、これらの国にとっては共に記念日を祝うことはごく自然な話だ。もちろん、中国は行事へと米国を招待した。だがこちらに知らされたのは、米大統領のスケジュールは過密であることと、行けるかどうかは不確定だということだ。習国家主席は9月末、訪米する。米大統領報道官の言葉のなかには一種の高慢さがある。 だがこれは回答を回避する手段だろう。」

オバマ米大統領は招待を無視して、第2次世界大戦終戦70年の祝賀のために北京を訪れることはない。招待状が出されているにもかかわらず、軍事パレードには米軍の参加はない。米国は太平洋戦争で中国の連合国であったにもかかわらず、こうした態度をとっている。5月9日のモスクワの赤の広場での戦勝記念パレードと同様、ホワイトハウスは「中国の壁」を築き、北京の祝賀行事から身を隠した。

軍事パレードについてロシア人専門家のアレクサンドル・ヴォロンツォヴァジツィイ氏は次のような見解を表している。

「第2次世界大戦終戦記念日が近づくことで、世界の大国らがこの過去の歴史をどう捉えているかがリトマス試験紙のように明らかになった。

5月9日の戦勝記念日にモスクワに西側諸国の多くの指導者が、特に米国、日本がやってこなかったという事実は西側の間でさえ、様々に評価が分かれた。多くは、現在の意見の対立はそれはそれとしても、過去の歴史は歴史の真実であり、これは全く別のものだという意味で批判が述べられた。しかもこれは世界の運命が決められた、これだけ重要な歴史のエポックの記念日だったではないか。だからモスクワにはやはり来なければならなかったのだ。残念ながら、どうやら歴史は繰り返されており、中国での記念行事についても同じことになりそうだ。」

オバマ米大統領はモスクワには来ずに、自国の西側のパートナーらにもウクライナを巡る情勢を理由に自分と同じく訪問しないよう手旗信号を送った。北京に西側のリーダーらがいかないのは、日本をよけいなことで刺激したくないからだ。それに軍事パレードに参列することで全世界に対し、経済力、軍事力両面での中国の躍進を認めたことを示すことになるからだ。

一方で5月9日も9月3日もロシアと中国は共に祝っている。両国は第2次世界大戦の結果の評価に関して見解を共にしていることをこれで2度世界に示したことになる。露中はあらゆる歴史改ざんの試みに対し、同じ立場で異議を唱えている。

 

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