東方経済フォーラムの初日の重要なセッション「極東、アジア太平洋地域の発展のための新たな可能性」は、アジア太平洋地域の発展にロシア極東が行える寄与についてのディスカッションで幕をあけた。日本、中国など、ディスカッション参加者らは東シベリアおよび極東の巨大な天然資源の調達者としての意義について語った。参加者らは先進発展区域での税の特恵、官僚主義的な障壁の除去、透明な「プレールール」など、ロシア政府が投資の特殊条件を作る際に払った尽力が投資誘致のために非常に効果の高いツールであると指摘している。
川崎重工の取締役社長で一般社団法人ロシアNIS貿易会(ロ東貿)の会長に就任した村山滋氏は次のような演説を行った。
「私からはロシア極東と日本の関係強化のために3つのことを提案させていただきます。
1つめはプーチン政権の推し進める先進経済発展区、自由港など新しい極東発展政策の実現にむけて全力を投入されることがあります。グローバル化する世界のなかで自国企業だけでなく、外国企業に対しても良好なビジネス環境を提供することは自国経済にとっても重要であります。特区や自由港の実現には通関、税、労働等に関する法例を国際ルールにのっとって整備し、アジア太平洋地域に引けをとらないビジネス投資環境を作る必要があります。それはロシアの経済発展に大きくプラスとなるものです。中国を例に取れば、改革開放政策が経済発展に大きく貢献したことは明らかであります。
第二番目は、グローバルスタンダードに適合されることです。「ロシアはこういう国だから、こういう制度だから」という考えでなくて、極東を誰でも進出できる場所とするために、ロシアのスタンダードに固執することなく、できるだけグローバルスタンダードに近づける必要があります。アジア太平洋地域への玄関口であるロシア極東ウラジオストクをその実験地にされてはどうでしょうか。
最後に、第三番目は、スピード感です。アジア太平洋地域はダイナミックな発展をつづける一方、変化と競争の激しい地域です。成長の続くアジア太平洋地域には日本を含む世界各国の企業が進出しようとしています。その中でビジネスを展開するのはそう簡単なことではありません。新型特区やウラジオストク自由港など新しい極東政策を通じて国内外から投資を呼び込もうとする最近のプーチン政権のスピードと突破力を高く評価しています。こうしたスピード感と突破力をアジア太平洋諸国へのアプローチにおいても見せていただければロシア極東とアジア太平洋地域の関係をダイナミックに変えることが出来ると確信しています」
極東発展省のアレクサンドル・ガルシカ大臣は、外国からのフォーラム参加者の見解は将来の投資家の意見としてとらえ、極東における魅力の高い、競争力のある投資環境づくりにとりいれていくとして、次のように語っている。
ウラジオストク以外にも自由港の範囲にさらに15の自治体を含める。これは沿海地方の南の全域だ。自由港領内に滞在する外国人に対し、8日の滞在ビザ緩和を行うというのは沿海地方のイニシアチブだ。我々の原則は政治と経済を分け、世界の最良の経験を最大限用いることだ。