ドイツの受け入れ難民の数を拡大するというメルケル独首相の決断は連立与党のパートナーらに非常に批判的に受け止められている。連立与党パートナーらは6日、会合を開き、「流入難民の制限策』を話し合う構え。ビルト・アム・ソンタグ紙がキリスト教社会同盟からの情報を引用して伝えた。キリスト教社会同盟は、メルケル首相が党首を務めるドイツキリスト教民主同盟にとっては従来の連立パートナー。
ビルト・アム・ソンタグ紙の報道では、5日夜、新たな難民受け入れについてキリスト教社会同盟指導部の電話会談が行われた際に、メルケル首相の移民受け入れ数の拡大について「連邦の観点から正しくない」との批判が挙げられていた。
一方で欧州委員会のユンカー委員長はビルト・アム・ソンタグ紙からのインタビューに対し、EU内の自由な移動を制限する試みと対抗する構えを表明した。ユンカー委員長は「欧州に避難場所を求める人がいるからといって、シェンゲンの存在を問う根拠にはならない。我々は何十年もの間、壁や柵を設けずに暮らし、旅行するテーマに取り組んできたではないか」と語っている。
2015年初めからEU圏内に押し寄せた移民の数はおよそ35万人。この数は毎日数千人単位で増えている。欧州委員会は現在、世界が直面している移民の危機は第2次世界大戦以来最大級のものという声明を表している。