パダルカ飛行士は、今年3月に開始された1年間にわたる露米合同エクスペディションは当初はあまりうまく運ばなかったと回想し、次のように語っている。
「『プログレス』でも事故があり、それに続いて宇宙船『ドラゴン』も事故があったため、もちろんステーションの供給に影響が出たほか、リソースを節約するため、我々は多少我慢せざるを得なくなった。だがその後、ロシアの『プログレス』が発射に成功し、それから日本の同僚が送ってくれた宇宙貨物船HTV(こうのとり)も非常に大きな助けとなった。日本はステーションの複合体全体に大きく貢献してくれた。」
日本人宇宙飛行士の油井 亀美也氏も日本のマスコミからの質問に答えたあと、ロシアのTV局「ライフ・ニュース」からのインタビューに対し、ステーションの日本のセクターに実験用にウイスキーの瓶が届けられたと語った。油井飛行士が日経新聞、毎日新聞、NHKからのインタビューに答える様子をお聞きください。
Q:油井さんが宇宙に行かれて一月半の間になされたプラントローテーションなどをはじめとする様々な実験の価値についてお話ください。
A:「プラントローテーションについてはプラントが様々回りながら成長してゆく様子がジイに由来するものなのかどうかわからなかったので、こちらで実験していますし、たんぱく質の実験も純粋な結晶ができれば新薬の開発にも役に立ちますし、それから小動物の実験装置が組み立てていますが、これによって人間に近い動物の変化が調べられることで将来の宇宙開発につ那賀って行くと思います。」
Q:ご自身の故郷では講師イベントが企画されていますが、意気込みや子供たちへのメッセージは?
A:「故郷の応援はありがたいものです。こどもたちについては大人も同じですが、それぞれ夢はあるでしょうが、今やるべきことをしっかりやれば、必ずその夢に近づいてゆくものですから、しっかりやってほしいと思います。」
Q:9人とISSの人数が増えたなかで、ISSの運用や作業のパフォーマンスはどうですか?
A:「9人いるとにぎやかで楽しく、士気があがっています。そういう意味で効率があがることはあるでしょうが、それぞれ異なるタスクを行っているので、大勢いるかいないかはあまり関係ありません。人が増えればメインテナンスも実験も多くできるから、将来的にはそういう形になるといいのではないでしょうか。ただ食料やリソースの問題があるのでなかなか簡単にはいかないと思いますが。私自身は楽しいですし、非常にいいことだと思っています。」
Q:こうのとりをロボットアームでキャッチされましたが、そのときの感想と、ツィッターを通じて宇宙空間の感想を発信されていますが、宇宙空間ではじめて気づかれたこと、発見、ブレイクスルーを教えてください。
A:「ますこうのとりですが、補給が心細くなってきたところで日本は物をしっかり届けることが大事だとわかっていましたから、無事キャッチできたときはほっとしました。日本も国際社会おなかでさらに認められたとおもいました。
宇宙に来て気づいたことは言い切れないほどありますが、自身がパイロットだったので空間の認識能力には自身があったのですが、宇宙で上も下もないなかで暮らすといろいろ考えたり、新たな発見がありました。それから地球が宇宙から見ると小さく、本当に大事にしなければいけないとおもったのは一番の気づきです。」
Q:ふざけたような質問になるかもしれませんが、映像で9人もいる状態、実際、狭く感じますか?
A:「ステーションはジャンボジェット機と同じくらい広いので、みなさん狭いとは思わないと思うんですけど。」
Q:9人いるときの寝室の割り当ては?
A:「寝る場所はいまのところ6人で寝ることが想定されているので、電話ボックスくらいの大きさの個室に寝袋を止めておいています。新たにきた3人はそれぞれモジュールのあいてるところで寝ています。寝心地ですが、わたしは寝袋を浮かした状態で寝ていますが長く寝ても背中は痛くならないですし、快適でいい夢が見られます。」
Q:12月までの活動でさらに宇宙空間に滞在したいでしょうか、日本のみなさんにどういったところを見てほしいですか?
A:「もうすこしで滞在期間の3分の1が終わります。ステーションの滞在が快適で地球に帰りたくないと思い始めているところです。この調子だとあっと言う間に滞在が終わるので、時間を有効に使いたいと思っています。宇宙ステーションの一番すごいところはいろんな国の人が一つの目標にむかって協力して成果を出そうとしていることです。その協力の体制を見ていただきたいので、私がいろんな国の言葉を話しながら協力する姿を見てほしいと思います。そして12月に大きな成果を持って帰ることを楽しみにしていただきたいと思います。」