先に日本のThe Diplomatも同趣旨の記事を載せている。訪問がシアトルから始まるというのは、大統領選の予備選の趨勢を左右する重要な州への訪問を控える意向の表れである、とThe Diplomat。多くの米国人コメンテーター、また大統領候補たちは、習氏の公式訪問のレベルを引き下げるべきではないか、と議論しているという。
サウスチャイナ・モーニングポスト紙によれば、習氏はシアトルで一連のイベントに参加し、実業界の代表らと一連の会談をもつ。ただし、今回の訪問で大きな飛躍が起こる可能性は低い、とサウスチャイナ・モーニングポスト紙。というのも、問題の根はあまりにも深いのだ。米国は中国にサイバースパイの容疑をかけているし、南シナ海における中国の活動にも不満が蓄積している。ロシア人専門家アレクサンドル・ラリン氏もこの点には同意している。
「私も、飛躍は見込めない、と見ている。最近の中米関係はやや冷え込んでいる。北京の戦勝記念パレードに米国の高官が参加しなかったことでもそれは示された。米国はまた、北京訪問を控えるよう欧州やアジアの同盟国に圧力をかけた。このことについて中国の専門家やメディアは米国を非難している。両国関係がこれまでよりも緊張しているので、訪問は複雑な環境の中で行われる。両者の今後の発展に新しい地平をひらくような合意、と一応呼べるようなものに調印がなされるだろう。双方とも協力を必要としているのだから。しかし、飛躍的な前進はないだろうと思う。ここ最近の関係悪化のためではない。深刻な対立が長い期間をかけて熟成されているためだ」
サウスチャイナ・モーニングポスト紙によれば、訪問計画が策定される中で、ハワイ訪問も検討されたが、ハワイが米太平洋艦隊司令部の拠点であることから、廃案となった。太平洋艦隊司令部は中国の南シナ海政策を厳しく批判している。
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