専門家らは「ハッキングは今のところ、恐ろしいものとはなってはいない」としながらも「大きな憂慮を呼び起こしている。なぜなら現在に至るまで、どういった目的で攻撃がなされているのか、誰も説明できないからだ」と指摘している。
ただハッキングの半数以上が、研究部門のネットワークに対し行われていることから判断すれば、主にそれらは、通常の産業スパイ行為だと思われる。しかし、成功したハッキングのうち約20件は、原子力エネルギー施設に対するものだった。そうなるともう単なるパーソナル・データの盗難あるいは切断といったレベルではない。イランのナタンツにあるウラン濃縮センターのコンピューターシステムを攻撃したウイルスStuxnetを十分思い起こさせるものだ。この事件が起きた時は、遠心分離器の回転速度が変わり、危うく破滅的な事故が起きるところだった。これによってイランの核プログラムは、数年止まってしまった。
米国の場合。成功したハッキングのほぼ半数において、ハッカーらは、コンピューターへのフルアクセスが可能となり、好きなようにコンピューターを使う事が出来たと見られている。