「安倍首相自身はプーチン大統領の訪日をなんとか実現させたいと願っている。日本は重要な問題を2つ抱えており、それを安倍氏はロシアとの対話を通して解決したいのだ。一つ目の問題は平和条約。それからもうひとつは、日本を非常に心配させているのはロシアと中国の接近だ。何とかしてロシアを中国から引き離そうとするか、または露中関係が今後も発展していくのであれば、これが日本を敵に回すものにならぬようにしたいと日本は考えている。
そのほか、安倍氏はロシアとの対話を続ける件に関して米国から100%の承認を得ていない。このため最後の最後まで日本政府内では訪問に賛成派と反対派の間で舞台裏の戦いが続けられていたが、どうやら、プーチン大統領の訪日準備を開始せねばならないという安倍氏の視点のほうが勝ったために、岸田氏も自分の指導者の決定を遂行せざるをえなくなったようだ。
仮に岸田氏の訪問が実現したならば、それはプーチン大統領の訪日や平和条約問題のみならず、他の問題についてもより積極的な外交活動を始動させるだろう。岸田外相の訪問の後に、外務省ラインで十分に高いレベルでの何らかの対話がこれに続く可能性も除外できない。国連総会の枠内、あるいはAPEC会議で両国首脳の何らかのコンタクトが成立するかもしれない。全体から判断すると何らかの動きが始まってきている。それが何を目指しているものかは見てみないとわからない。
だが重要なのはロシアとの対話を行なおうという関心が安倍氏にあるということだ。安倍氏はそういえばつい先日、圧倒的多数の票を集めて自民党総裁に選ばれた。これ以外に、9月17日には国会で集団自衛権についての法案が採択されるだろう。これは全く一義的なものではない。ある意味ではこれは米国の方を向いて恭しい態度をとっているように見えるが、裏を返せば、米国の国益ではなく、日本の国益により叶う問題を解決するぞという意欲の現れだからだ。」
A:「日本が対露制裁に参加し、日本のマスコミも反露的気運を煽る中で平和条約問題で突破口に期待するのはナイーブだ。それでも安倍氏は平和条約問題を自分の任期中に解決すると約束した。それに安倍氏にはまだ十分がある。このため今回のプーチン大統領の訪日が具体的成果を出さなかったとしても、安倍氏はこれは第一歩であったし、平和条約のようなこれだけ複雑な問題を一度に解決できるとは誰も思わないものの、何らかの事始(ことはじめ)は必要だと言える。我々は開始し、立場を照合した。対話は実務レベルで続けようと、安倍氏は言うことができる。そしてこれは十分にロジカルな説明になるだろう。」
Q:露日対話の再開で両国の実業界が明確に関心を持つ経済協力が活性化される可能性は?
A:「岸田外相が9月、自身がイーゴリ・シュヴァロフ氏と共同委員長を務める貿易、経済学術技術協力の政府間委員会 の会議に出席するため、モスクワを訪れる時を見る必要がある。双方は協力のために何を提案するか、それがどれだけ現時的なものであるかだ。ほかに制裁に触れないプロジェクトもある。例えばガスのプロジェクトだ。だがすべては日本川が平和条約に向かって進む雰囲気作りを行なう気があるのかどうか、そこにかかってくる。友好的な雰囲気もないままに、第1に友好、協力、そしてそれらを支持し、発展させる義務が挙げられる平和条約締結を語るなど不可能な話だ。」