英労働党新党首の伝記的事実を以下にいくつか紹介する。
① 義務教育期間中、試験に失敗したコービン氏は、先生にこう言われた。「お前は人生の中で何一つ成し遂げることが出来ないだろう」。コービン氏は志願兵となりジャマイカで2年間勤務することを決心した。
② その後も「人生の中で何一つ成し遂げることがなかった」コービン氏は30年間にわたり英議会に議席を占め続け、80年代末にはマーガレット・サッチャー政権の財政緊縮策に猛然と抗議、公衆の面前で「鉄の女」と格闘さえ演じた。
③ コービン氏は80年代からアイルランドの統一を推進し、アイルランド共和国軍(IRA)とコンタクトを取り続けている。
④ 内政では、国家の経済への関与を大幅に強めるよう求めており(学校や病院の大量建設など)、年金受給年齢の引き上げは特定の職業に局限するべきであると唱え、また、鉄道、一部銀行・企業の国有化、富裕層への税率引
き上げを主張している。
⑤ 45年以上、ベジタリアンで通している。転機はブタ農家で働いたこと。
⑥ 外政では、主要な政策として、NATO解体と、ロシアとの関係改善を訴えている。氏によれば、NATOは1991年時点で解体されるべきだった。また氏は、クリミアはロシアの領土であるとし、米国やEUに対し、クリミアの文化的・民族的特性を考慮に入れるべきだと訴えている。
⑦ この10年間で、氏は、議会で自分が属する会派の決定に、238回も反対投票している。
⑧ コービン氏は反戦連合Stop the War Coalitionを結成し、イラク、アフガン、リビアでの戦争に一貫して反対している。氏によれば、紛争は欧米によって仕掛けられたもので、先進国の経済問題を解決するという狙いをもった、エゴイスティックなものである。
⑨ コービン氏は政府に対し、英国の文化的発展に真剣に取り組むべきである、と訴えている。氏は、英国の児童は少なくとも一種類、楽器を演奏できるようになる機会を与えられるべきだ、としている。
⑩ 一番最近の選挙キャンペーンでは、大企業からの資金援助を断固拒否した。コービン氏自身は大企業のことを「人民企業」と呼んでいる。
⑪ コービン氏の党首就任に喜んだのはアルゼンチンのクリスティーナ・キルチネル大統領である。コービン氏は80年代から英国政府に対し、フォークランド諸島(マルビナス諸島)についてアルゼンチンと建設的な対話をするべきだ、と訴えている。