ゴアスゲン氏本人は「非公式外交」を行なう気はない、と主張しているが、ロシア外交官との協議の内容は外交そのものだった。会談では欧州による制裁とロシアによる対抗制裁、クリミア、シリア紛争、移民危機など、アクチュアルなテーマが集中的に話し合われた。
「もしロシアが「イスラム国」と戦うなら、それは歓迎すべきことだ。シリア政府の瓦解を看過すれば、ただでさえ悲惨な状況に、さらなる惨禍がもたらされることになる」とゴアスゲン氏。
欧米の対ロ制裁は不条理だ、とゴアスゲン氏。「制裁政策というものは全く信じていない。それで成果が出ることは絶対にない。ロシアとのケースでも、制裁が成果をもたらすことはない。むしろ返す刀でこちらが傷つく。げんに非常に苦しめられている。制裁は一刻も早く終わってくれたほうが、フランスの国益に適う」。
会合ではクリミア問題も再び取り上げられた。この問題ではフランス議員で元運輸大臣のティエリ・マリアニ氏がもっともよくロシアの立場を代弁してくれた。同氏は、「クリミアはサヴォイとニースがフランスのものになるより遥かに前からロシアのものであった」と強調した。
今回の会合が行なわれるに先立ってクロード・ゴアスゲン氏は、プーチン大統領をシャルル・ド・ゴール元大統領になぞらえてみせた。フランスにも閉塞を打破してくれるプーチン大統領のようなリーダーが必要だ、とゴアスゲン氏。