ストルテンベルグNATO事務総長は「今重要なのはミンスク合意の遂行だ」と強調している。NATO事務総長は21日、2月に平和合意が調印されて以来、一度も停戦が確認されていなかった事実を指摘した。
DWNの記事では、NATO側からの声明のトーンが驚くほど変化したことが指摘されている。以前、NATOがウクライナ危機について表す声明では常にロシアに対する強硬な批判が表され、停戦違反の責任は一方的に義勇軍におしつけられ、ドンバスにはあたかもロシア軍が駐留しているかのように吹聴されていた。
記事ではこの変化について、シリア問題の合意達成後、西側とロシアはウクライナ紛争のエスカレーションを理由に関係の緊張化を望んでいないためだろうと説明されている。
ドンバスの停戦体制は9月初めから導入されているものの、欧州安全保障協力機構(OSCE)からは毎日のように停戦違反のケースが報告されている。またOSCEは給水、暖房システムが深刻な被害を受けてしまったため、地域住民は冬の寒さに耐えられないのではないかと危惧感を表している。
OSCEはキエフ当局に対し、地元住民がインフラ復興作業を行えるよう、衝突ラインからの軍事機器の撤収を申し入れている。