なお、これをもって事実上、国家主席の米訪問における2日間にわたるビジネスプログラムは終了した。署名された合意は、少ない。これは、従来の中国の最高指導者らの訪問にとっては珍しいことだ。通常は、中国の最高指導者の訪問に合わせて、数十の文書に署名がなされる。しかし中国企業のグループは、380億ドル相当のボーイング社の旅客機300機を購入することで合意し、他の契約総額の足りない部分を埋め合わせた。
また習国家主席が、中国と米国の企業各15社のトップとの座談会に出席したことも、米市場における中国のプレゼンスが政治的に重要であることを物語った。この座談会は、米中の協力にとって極めて敏感なセグメントである電子、ハイテク部門において、自国のプレゼンスを強化するという、中国の意向を反映した。習国家主席は、企業のトップたちとの座談会を、外国からの中国経済への投資制限を一部撤廃する計画を確認するために利用した。国家主席は、まずは自動車大手「ジェネラルモーターズ」や「フォード」が規制緩和の対象になることを確認した。
中国現代国際関係研究院 世界経済センターのチン・フェニン所長は、ラジオ「スプートニク」のインタビューで、しかし中国は、米国の投資家たちが中国経済の戦略部門に参入することは許可しないだろうとの見方を示し、次のように語っている‐
中国現代国際関係研究院 世界経済センターのチン・フェニン所長は、ラジオ「スプートニク」のインタビューで、しかし中国は、米国の投資家たちが中国経済の戦略部門に参入することは許可しないだろうとの見方を示し、次のように語っている‐
「協力が許されるのは、外部からの一定のアクセスが可能となっている、中国の安全保障に関連する複数の分野だけだ。例えば、宇宙や原子力分野だ。一方で我々は、安全保障上の問題で妥協することはできない。そのため、厳しい条件の中でのみ、外国人の参加が可能となる。戦略部門への投資については、中国にも米国にもこのような投資を管理する特定の手順がある。なぜならこれは、国の安全保障に関わる問題だからだ。米国の投資家たちにとって戦略分野の他に興味深いのは、銀行分野とサービスだ」。
なお、習国家主席の訪問中に、中国と米国が投資協力に関する合意に調印することはないと思われる。米国が求める投資分野の拡大は、中国にとっては受け入れがたいものだ。その他にも米大統領府は、両国関係や世界情勢に関する評価を盛り込んだ両国首脳の大規模な共同声明は発表しない予定だと伝えている。