イランの英字新聞「イラン・プレス」のエマド・アブシェナス編集長は、「ロシアが発言を瞬間的に行動に移したことは西側諸国にはショックだったらしい。今日(2日)の西側のプレスを見ると、ロシア空軍の最初の空爆の成功を妬んでいる様子が伺える。西側の連合軍など、ロシアがさっさと破壊したこれらの拠点を襲撃するのに1年も無駄に費やしたからだ。ロシアが迅速かつ生産的な行動を起こさなければ、シリアではここ数日にも緊張した戦闘状態が発生したはずだ」と語っている。
インドのニューデリーにあるジャワハルラール・ネルー国立大学のアルン・モハンティ教授は、シリア領のテログループとの闘いに自国の空軍を差し向ける決定を行ったロシアは万人に対し、本物の世界的プレーヤーであることを見せ付けたとして、次のように語っている。
「ロシアの初の勝利は、化学兵器が使用されたという前提にもとに軍事介入しようとする米国を止めたことだった。ロシアは、アサド氏はとどまらねばならないということを幾度となく繰り返してきた。そして今、この見解をどうやら欧州諸国もトルコまでもが支持し始めたようだ。」 シリア領内のテロ対策へロシアが参加することでイラクでのテロ対策にも肯定的な影響があるはずと確信を示しているのは、イラク国防省のナスィル・ヌリ・ムハメド公式報道官。
「結果的にイラクとシリアはIS空爆の唯一の対象圏となった。このためもちろん、シリアで起きていることはイラクにも影響する。ロシアがテロ対策に乗り出したことはイラクの問題にも前向きな影響を及ぼすと我々は考えている。我々はシリアとの国境付近のISまで把握することはできない。このためロシアが空爆に参加すれば、イラン領内でのテロ対策にも必ず肯定的に影響する。」
トルコでもロシアの行動は中東の全諸国の国益に答えるものと捉えられている。トルコの外交官、オヌル・オイメン氏はラジオ「スプートニク」トルコに対し、次のように語っている。
「ISに対し効果の高い対策をとることはトルコの国益に叶う。トルコは国境の安全を確保せねばならないからだ。ロシアはまた自国領内でイスラム主義テロ集団の行動に大いに悩まされてきた経験を持つ。このためテロとの闘いはロシアの国益にも他の国の国益にも答えるものだ。だがこの問題に取り組む際にたったひとつの組織だけを選び、それに集中してはならない。この地域のあらゆるテロ組織を効果的に叩くようでなければならない。」
インド駐留シリア大使のリヤド・アッバス氏は「ロシアがシリアでの作戦開始を決めた断固とした姿勢は他に例がない」として、ラジオ「スプートニク」アラブ語に対し、次のように語っている。
「ロシアは何としてもテロと闘うという確信と力を本当に持っている。西側諸国は実はIS対策に取り組む気はそんなになかった。それどころか西側はある国々に作用するためにISを利用していたのだ。それらの国々とは中東における米国の同盟国ではない。これに対してロシアは本当に闘いを展開するだろう。」
アッバス大使は、米国とそれを支持する諸国のやりたいことは明確であり、アサド氏の代わりに「自分の息のかかった」人物を据えることに他ならないと語る。この目的のために米国らはテロ対策部隊を養成という隠れ蓑のもとでシリアの反体制派を支持しているのだ。