これは、9月30日にロシアの航空宇宙軍が、シリア領内の過激派テログループ「IS(イスラム国)」に対する戦闘作戦を開始してから、危機調整における中国の役割について、シリア指導部が行った初めての評価だ。これに関連して、アサド大統領は「中国側は、シリア領内でつい先日開始されたロシアの軍事作戦、そしてテロリズム撲滅に向けたプーチン大統領のイニシアチブを支持している」と強調した。
イニシアチブの一つは、米国CBSがプーチン大統領に行ったインタビューの中で示された。それは、ロシア・シリア・イラク・イランによって、テロリストらと戦うための連合体を中東に作り出すというものだ。その少し後、ニューヨークでの第70回国連総会での一般討論演説で、プーチン大統領は、次のように述べているー
「近くロシアは、安保理事会の議長として、中東での脅威を総合的に分析するため閣僚級会議を招集する。まず第一に我々は『IS』及びその他のテログループに対抗している、あらゆる勢力の行動の調整に関する決議をまとめ上げるべきだ提案している。ロシアは、国際共同体が、中東の政治的安定と、社会的経済的復興を目指す包括的戦略を作成できるものと期待している。」
ロシア政府はすでに、国連安全保障理事会のメンバー国に、行動調整の決議案を提出した。現在文書は、討議されている。その際、中国のワン・イー外相は「わが国は、ロシアと共同で、シリア危機の平和的調整を促す」と確認した。
ロシア及び中国領政府の立場が調整されていることから、新しい地政学的現実が生まれている。ロシアの政治学者、ウラジーミル・エフセーエフ氏は「西側は、それを認めないわけにはいかない」と見ている-
「ロシアと中国が歩調を合わせるならば、それに対抗することは難しい。なぜなら、両国は、西側が認めざるを得ない国際政治のプレーヤーだからだ。ロシアは『IS』に対する戦闘作戦に参加することで、新たな現実を作り出した。それには西側も含め、他の国々も適応を試みている。しかしロシアは、中国の支持を得ている。ここではロシアが確かに主導的役割を演じてはいるが、それは打ち合わせのなった行動である。またロシアと中国の立場がしっかり調整されていること、これも新たな現実だ。」