TPPをめぐる合意の枠内で、日本は又、徐々に輸入牛肉の関税を現行の38,5%から9%まで下げる義務を負った。又ほかの肉類や乳製品にかかる関税も大きく下げるか撤廃しなければならなくなる。
こうしたすべての事は、日本の食料品に対する消費者価格の本質的引き下げをもたらすものと予想されるため、日本政府は、ターゲットを絞りつつ国内生産者を支援する意向だ。支援措置作成のため、首相を長とし全閣僚が加わった特別本部が設けられる見込みだ。農業生産者は、与党自由民主党の伝統的支持基盤を構成しているが、政府側からの様々な説明にも関わらず、TPP加盟による影響から、政府が自分達を完全に守ってくれるのかどうか強い不安を感じている。
全国農業協同組合連合会・広報部のオオシマ・カズミさんは、ラジオ「スプートニク」のインタビューに応じ、次のように語ってくださった。
「国会決議では、農産物5品目が交渉の中でセンシティビティ(重要 品目)として確認していくということが確認されているので、これはしっかりと守って欲しいと思っています。なぜなら、品質格差があまり生じにくい品目が多 く入っているからです。そのため、ここを交渉の中でしっかりととっていただくことで、国内の農業者が安心してこれからも引き続き農業をやっていける環境を つくっていって欲しいと思っています」。
日本のアナリストたちは、日本がTPPに加盟することで、現在7兆1000億円の国内農業の生産額が、およそ3兆円落ち込むとの見通しを表してい る。特にコメ、豚肉および牛肉の生産量が減少するという。TPP参加によって、日本の農業生産者の利益が打撃を受けるのは明らかだ。問題は、農産物の関税 撤廃と引き換えに、外国市場へのより自由なアクセスを得ることに賛成している自動車、電子機器、その他の製品を輸出する別の分野の日本の生産者たちの利益 で、この損失を埋め合わせることができるかということだ。なお、米国の大手自動車メーカーは、日本がTPPに参加することを決して喜んではいない。妥協策 の模索が行われている。