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ロシア人女性の自己表現の才能に感銘・領土問題とファッションショー
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Sputnik 日本
... 2015年10月9日, Sputnik 日本
2015-10-09T00:45+0900
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社会, ロシア, 国際, 文化, クリル諸島, 南クリル諸島:不和あるいは協力の島?
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ロシア人女性の自己表現の才能に感銘・領土問題とファッションショー
2015年10月9日, 00:45 (更新: 2015年11月26日, 00:04) 今年で24年目を迎えたビザなし交流。この間、様々な形で日ロ間の相互交流が積み重ねられてきたが、その中でも歴史に残る出来事が、2009年と2010年に国後島・択捉島で行われた「本物の」ファッションショーである。これを主催したのは北海道根室市出身のデザイナーで、株式会社人(ZIN)の加藤徹CEOだ。日本人らしい繊細なものづくりにこだわった加藤氏のブランド「ZIN KATO」は日本のみならず、アメリカや中国でも高く評価されている。
スプートニクでは加藤氏に、当時の体験談と、ファッションを通じた日ロの文化・経済面での協力の可能性についてお話を伺った。インタビューを2回にわたってお届けする。
スプートニク「そもそも、ビザなし交流の枠内でファッションショーをするというアイデアはどこから来たのでしょうか」
「私の父が国後島の出身で、北方領土返還運動に長くかかわっていました。その父が2008年に無くなり、遺灰を故郷へ散骨したいという思いがあり、北方領土に行くことになりました。それまで多忙で、誘いがあっても参加しないままでしたが、父が亡くなったことをきっかけに初めて参加を決意しました。事前に主催者から資料が送られてきました。それを読むと、自分がこの問題について無知だった、ということに気づきました。そのとき、今回の訪問に際して何かできることはないか?と考え、ふと、ファッションショーをやってみることを思いつきました。私はファッションショーを長らく手がけています。ロシア人のモデルをよく使うので、ロシア人にモデルとしての良い資質があることはわかっていました。北方四島にもお嬢さん方がいるだろう、その方たちをモデルにしてファッションショーをすれば、何かの形で日本とロシアの友好に役立つのでは、と思ったのです。最初は思いつき、のスタートでした。」
スプートニク「ビザなし交流における訪問団のスケジュールは非常にタイトです。どのようにファッションショーの準備をしましたか」
「国後島に上陸、ということになったとき、艀(はしけ)が故障だという連絡が来ました。これがないと上陸できません。ショーを控えているので、できるだけ早く上陸して準備するつもりでした。ファッションショーの経験があるはずもない人たちを、人前に立てるようにするのは大変なことです。5時間以上は必要だと心づもりしていました。しかしようやく上陸できたのが午後2時すぎです。ファッションショーの開始は午後4時です。控え室(日ロ友好の家)に着いたとき、もうショーまで1時間半くらいしかないわけです。切羽詰った状況の中で、日本側訪問団の女性たちの助けで、とにかくヘアメイクを間に合わせました。そして事前に集まってもらっていたロシア人の12,3名の綺麗なお嬢さんたちに、衣装を着せ付けました。ただ、背中が大きくあいたドレスを着る際はブラジャーを外していただかないといけないのですが、素人のお嬢さんですから、やはり嫌がるわけですね。まあしょうがないか、ということで会場へ行きました。会場はランウェイにカーペットが敷かれていて、こちらが考えていたよりもショーの環境は整っており、ちょっと嬉しかったです。しかし会場についたとき開始まで残り15分でした。つまりリハーサルの機会が一回しかないわけです。一回きりのリハーサルで、出方、入り方、立ち位置、ポーズなどの指導をしました。果たしてこれが成功するものか?と、まったくおぼつかない状態でスタートしようとしたときに、お嬢さんたちが黙ってブラジャーを外してくれたんですね。これはつまり、お嬢さん方の「自己表現をしたい」という意欲の方が、羞恥心より勝ったということですよね。」
スプートニク「ファッションショーが成功した要因は」
「お嬢さん方のパフォーマンスが本当にすばらしかった。通常、一時間半しか準備時間がなくて、しかもモデルが素人だったら、絶対に失敗するわけですよ。大恥をかいても不思議はないところでしたが、そこをパフォーマンスでカバーしてくれました。プロ・アマを問わず、ロシアの女性というのはパフォーマンスの能力がとても高いなと思いました。これは、ひとつには、自分自身のプライドがとても高いんだろうと思いました。それと、自己表現をしたいという意思ですね。これが非常に強いわけです。生まれついての才能があると思いました。ロシア人は肉体による芸術表現に非常に優れています。それをここで目の当たりにした、という実感がありました。ロシアには小さな町にも芸術学校があります。ロシアでは芸術教育を非常に重視しているという成果も、ここにあらわれたのではないかと思います。日本で人口6000人くらいの村に行って、「ファッションショーをやるからモデルさんを調達してください」と言ったとしたら、ショーは多分実現できないでしょう。」
また、加藤氏主催のファッションショーは、日ロ友好に貢献しただけではない。このショーのおかげで、結婚相手を見つけた人もいた。2009年にショーに出演したロシア人女性が、翌年国後島を再訪した加藤氏に語ったところによると、女性は、ファッションショーを観覧していた男性に見初められ、交際をはじめ、既に結婚に至ったという。