「両首脳に、肩を並べて鑑賞してほしい」領土問題とファッションショー

© 写真 : ZIN KATO「両首脳に、肩を並べて鑑賞してほしい」領土問題とファッションショー
「両首脳に、肩を並べて鑑賞してほしい」領土問題とファッションショー - Sputnik 日本
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デザイナーの加藤徹氏のインタビュー、第二回目をお届けする。2009年にビザなし交流で触れた大自然にクリエイターとして感銘を受けた加藤氏は、現地で得たインスピレーションをもとにデザインした新作コレクションを翌年に発表し、国後島のみならず択捉島でもファッションショーを行った。

加藤氏はこの経験を通して何を伝えようとし、何を思ったのか。

「これは、楽しいと言うより、深く感じ入ることがあった経験でした。ファッションというのは非言語-、言葉によらず何かを表現するものです。ファッションは言うまでもなく平和や豊かさの反映であり、平和産業の最たるものです。私たちは戦後、敗戦国の国民として生きてきて、平和の大切さ、豊かさについて想ってきました。廃墟から必死で立ち上がり頑張ってきた結果として、日本のファッションの今日がある、ということをまずお伝えしたかった。それと、ファッションショーを通して、日本側とロシア側が協力して何かをすることができる、ということを表現したかったのです。

ロシア人女性の自己表現の才能に感銘・領土問題とファッションショー - Sputnik 日本
ロシア人女性の自己表現の才能に感銘・領土問題とファッションショー
私は、ロシアと日本というのはお互いに足らざる部分があって、相互補完的な関係が確実に成立すると思っています。経済的にも、文化的にもです。日本人は戦前からずっと、ロシアの文化に対する敬意を抱いています。例えばロシア・アヴァンギャルドのような前衛芸術も含めてロシアは実績があります。経済面で言えば日本は資源が少なく、ロシアは日本の資本や技術を求めています。これが現状、領土問題があるために為されていないというのは、双方にとって本当に大変な損失だと思います。これは情報不足が最大の原因だと思います。私自身、ビザなし交流に参加するまではロシア人の人情とか、人となりに対する理解が全くありませんでした。

2つの異なる文化が出会うと、すごく大きな化学変化が起きて、革新的なものが生み出される。これができるのが北方領土という場所だと思います。これが実現すれば、ここから文化的・経済的な爆発的な現象が起きる可能性があると思っています。何とか、二国間でこの問題が解決され、自由な行き来ができるようになりたいと思います。
日ロ間の理解が進まない情報不足の原因は、ロシアのイメージの悪さです。今の日本人はロシアに対して、ソビエト時代のイメージを引きずり、怖い国だと思っている。実際、それがそうじゃないんだというのを、どうやって伝えていくのか。メディア戦略が必要だと思います。相互理解が進んでいけば、何らかの形で領土問題の解決につながると思います。」

スプートニク「どうすれば日本人が抱く、ロシアのイメージを変えることができるでしょうか」

「見果てぬ夢かもしれませんが、このようなアイデアがあります。近々、プーチン大統領が来日するという話があります。そのときに北方四島在住のロシア人女性を東京へ招いて、私がデザインしたドレスを着てもらい、東京でファッションショーをしたいのです。それをプーチン大統領と安部首相が肩を並べて観てくれたら、と。もしそのようなことが起こって、メディアで好意的に報道されて島の実態というのが伝われば、ロシアのイメージが一挙に変わると思います。これをなんとか実現したく働きかけていますが、ロシアの方からも日本へ対して、このプロジェクト実現に向け、働きかけてもらえないかなと思っています。」

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