あらすじをかいつまんで言えば次の通りだ。ノルウェーに、急進的な環境保護派による政権が誕生、彼らは、環境保護を追い求めるあまり、北海での石油とガスの採掘を縮小してしまう。EUは、ノルウェーの石油やガスを放棄するのを望まず新政権と対立、その結果、ロシアはEUの同意を得て、ノルウェーを占領、同国領内の油田やガス田を奪うという「途方もない」内容だ。
この番組シリーズは、すでにいくつもの記録を打ち立てた。第一回は、人口の少ないノルウェーとしては、信じられないくらいの多くの人々、63万3千人が視聴した。これは全人口の13%にあたる。特に若者や中年の人達の間で大きな関心を呼んだ。20歳から49歳のノルウェー人の何と半分以上、53%がこの番組を見たという。
スプートニク・ノルウェー記者は、同国に居住し、この番組の一場面に出演したロシア人エフゲニイ・ディヤコノフ氏に話を聞いた。彼は次のように述べているー
「全くひどい作品だ。私は、ロシアのマフィア役をやってくれと言われた。他の発想はないのだろうか?ロシアと言えば、男は必ずマフィアで、女性は娼婦だと思っている。とんでもないステレオタイプ思考だ。
ノルウェーにおけるロシア嫌いは、多くの政治家達にとって単なる名刺であるばかりではない。より高いレベルにのし上がるための切符であり、成功を約束された役柄なのだ。」
実際、ロシアが、自分の国を占領するといった恐れを抱いているのは、ノルウェーばかりではないようだ。しかし、実際世界が直面している脅威は、本当のところ全く別のものである。特に欧州を襲っている脅威の第一、それは難民危機である。
現実的には、ロシアをめぐる、いかなる脅威も存在しない。何もないところに脅威を創り出す事の方が、例えば、難民をめぐる怪物的状況のような差し迫った個別の問題を解決するより、ずっと簡単なのだ。そのため、ロシアの脅威なるものが、今回も利用されているに過ぎない。