日本は、核保有国に果たして変わるだろうか? この質問を、ラジオ・スプートニク記者は、ロシア戦略・テクノロジー分析センターの専門家、ワシーリイ・カーシン氏にぶつけてみた-
次にスプートニク記者は、日本が、政治的ファクターを考慮して核保有国になる可能性は、果たしてあるのかどうか、カーシン氏に聞いてみた-
「つい最近採択された軍建設の性格を変える事に向けた措置(安保関連法)でさえ、あれだけの努力が必要だった。日本社会に、かなりの抵抗があったからだ。それを考えれば、日本が、今ある条件下で、核兵器を保有するといった何か過激なことをするとは、到底想像できない。しかし、もちろん、もし現在の世界秩序が、何らかの理由で崩壊し、米国が日本を守れなくなった場合には、日本は、なにか予備の可能性を持つという事は予想できる。そうした場合以外に、日本が真剣に核兵器製造に乗り出すとは想像できない。自国の核兵器が必要なのは、高い政治的な独立レベルを要求する国だけであり、その意味で日本は含まれない。日本は、米国に強く依存し続けると思われるからだ。」
続いてスプートニク記者は、米国高官は、そうした日本の立場を理解していていながら、なぜプルトニウム貯蔵に関する警告的発言をしたのか、その点を質問してみた-
「米国は、公式的な核保有国でない国々にあるプルトニウムなど、放射性物質の潜在的危険性を監督しようと試みている。もしどこかで、それらが見つかれば、米国自身が、あるいはロシアと共同で、それらの物質を没収する何らかの努力を講じるつもりなのだ。」
「 もし日本が、核兵器を手に入れたなら、まず第一に、米国の同盟国であることを止め、国際社会において全く独立したプレーヤーとなるだろう。そのさい核拡散防止条約が、どうにか遵守されていたとしたら、日本は、制裁措置を受ける可能性がある。日本は、エネルギーや食糧のかなりの部分を輸入に依存し、あらゆる機械・技術製品の輸出で成り立っている国なので、制裁や国際的孤立は、日本経済にとって、恐ろしい打撃となるに違いない。ロシアやイランと違って、日本には、核兵器を所有するための資源がない。そのため日本人が、真剣に核兵器製造を考えるのであれば、そのために大変重大な前提条件を準備しなくてはならない。つまり、制裁措置は絶対に導入されないとの確信だ。また米国の支持なども取りつけなくてはならない。それゆえ日本人が真剣に、核兵器の製造を考え出すなどとは、信じられない。
ただ最後に繰り返すが、現在の世界秩序を崩壊させようとの、何らかの秘密プランが日本に存在する場合は、話は別だ。また例えば、米国が火山爆発によって滅亡したり、そこまでいかなくても米国が衰退した場合には、日本が核兵器を持つ可能性はあるだろう。」