日本政府は、日本に圧力をかけるために歴史的事実の.捏造を許しているとして、中国を非難している。菅官房長官は、こうした決定を「遺憾なものだ」とし「わが国のユネスコへの拠出金については、支払いの停止等を含めて、あらゆる可能性の見直しを検討していきたい」と述べ、拠出金の支払い停止を含めて今後の対応を検討する考えを示した。日本の拠出金は、ユネスコの予算全体の10,8%を占めており、分担金の額としては第二位だ。また日本外務省は、ユネスコの政治利用を避けるために、世界記憶遺産への登録審査の改革を求める考えだ。
ラジオ・スプートニク記者は、ロシア連邦ユネスコ委員会のグリゴリイ・オルジョニキゼ書記に、コメントを求めたー
「この事件は歴史的事実だ。1948年の東京裁判で、日本人自身によって有罪と認められた。しかし、この問題は、二面性を有している。ロシアも原則的に、こうした種類の政治的性格を持った係争問題、まして過去に軍人が犯した問題をユネスコに持ち出すことには反対だ。なぜなら、我々は、ユネスコを非政治的な組織と位置づけており、そうした問題を討議に持ち出すのは、ユネスコ自体にとって、そして『世界遺産』プログラムにとって害になると考えるからだ。『世界遺産』プログラムは、平和を作り出すためのリストであり、歴史的な記憶対象として残されるべきものだ。それが、不和の種になったりしてはならない。従って、双方にとって受け入れ可能なバリエーションが見出せない間は、そうした問題に関する話し合いは延期すべきだ。来月11月3日から18日まで、ユネスコの総会が開かれる。そこでは必ずや、ユネスコの政治利用を避けるために、双方のコンセンサスのない要請を退ける問題が討議されるだろう。」
ユネスコは、後世に伝えるべき文化的歴史的価値のあるもののリストを、定期的に更新している。ある歴史的出来事に関する評価をめぐり意見が食い違うのは、何も今回が初めてではない。そうした場合、ユネスコは、交渉を行い、そこで、すべての関係者が受け入れられるような解釈を作っている。しかしもしコンセンサスが得られなければ、問題は先送りとなる。