パノフ元駐日大使、露日の討議テーマは減る一方

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ここ最近、日本側がプーチン大統領の訪日準備に関して見せる態度が活発化していることを受け、ロシアの専門家らの間でも、訪日が空虚で形式的なものと終わらないために日本とロシアは何をせねばならないかについて、関心が寄せられている。

このテーマについて、有名なロシア人東洋学者のアレクサンドル・パノフ元駐日大使はラジオ「スプートニク」からのインタビューに次のように語っている。

「まずは話し合うための共通のテーマくらいは見つけねばなるまい。ところがこうしたテーマは減る一方だ。日本は米国と同様、ロシアが自国の航空宇宙軍を使ってシリア危機の解決に参加したことに反対する姿勢をとったという発表があった。こんなふうに立場の違いがまたひとつ増えてしまった。

アレクサンドル・パノフ:露日外相会談後の記者会見は、日露の立場が近づかなかったことを示した - Sputnik 日本
アレクサンドル・パノフ:露日外相会談後の記者会見は、日露の立場が近づかなかったことを示した
平和条約について話し合わないというのであれば、そもそも何を話し合おうというのだ? しかも最近の懇談、協議が示したように平和条約については原則的な意見の違いが存在している。第11回政府間委員会の会議が示したような経済の差し迫った議題も何もない。このため、訪日準備を開始するのであれば、露日の立場が一致する分野くらいははっきりさせねばならない。そうすれば、それについては建設的な話し合いができるだろう。仮にこれが公式訪問ではなく実務訪問であったとしても、訪問では何らかの重要問題が取り上げられねばならない。それなのに、それが意見の相違を確認するだけになってしまうのであれば、訪問の意味は一体何にあるのだろうか?」

ラジオ「スプートニク」:日本は米国の立場を繰り返し、ウクライナ問題でロシアを批判した。シリア問題での批判も日本の米国依存度が招いた結果のようだが?

「そうだ。日本のプレスは公式的な代表らの発言を引用し、ロシアのシリアにおける立場は日本側からの批判の補足的要因を抱えていると報じている。これは露日関係には何の益ももたらさない。」

「スプートニク」:平和条約のテーマに戻ると、対話をより建設的なものにできるような、どういった譲歩を日本から期待できるだろうか?

岸田外相のロシア訪問は肯定的な一歩 - Sputnik 日本
岸田外相のロシア訪問は肯定的な一歩
「我々が日本から何らかの譲歩を期待できるとは思えない。理想を言うのであれば、忘れてはならないのは交渉はプロセスであり、取引だということだ。妥協の模索は双方が行なわねばならない。なぜならば一方が提案を押し出し、もう一方がこれを退けていては、何も実らないからだ。

これはイルクーツクの例で、ロシア側ははっきりわかったではないか。ロシアは領土問題解決のプランを1956年のソ日共同宣言に基づき、平和条約締結後、日本に2島を返還する案を押し出したが、日本は小泉政権が発足すると、このプランを蹴ってしまった。というわけで、我々はもう15年も同じ場所で足踏みをしている状態だ。

このため、実務レベルでキメの細かい作業を行い、様々な妥協案を説得して行くことが必要だ。妥協が何になるのか、それは現時点では全く想像ができない。何であれば日本側が合意し、何であればロシア側が首を縦に振れるのか。これはそれぞれの指導部からの命令を受けながら、交渉者がやるべき仕事だ。

たとえば、日本が退けた、1956年の宣言に依拠するという案は、今日本には受け入れられるものだろうか? 私にはわからない。ではロシアはこれを受け入れることができるか? それも私にはわからない。これは交渉の問題なのだ。」

 

 

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