クリル諸島では中国、韓国の投資会社が参加したプロジェクトの実現化がすでに2012年から開始されている。だがこれは日本側からの厳しい反対を招いた。日本はサハリン、沿海地方への投資をかなり積極的に行っているが、クリル諸島に関しては日本の実業界は現段階では領土問題を理由に「気づいていない。」
「現時点でアジアからの投資は、主に農業、貴重鉱物の採掘、選鉱に集中している。とはいえ、極東のインフラ発展、港湾、空港建設にも関心は寄せられている。たとえば空港ではハバロフスク空港への関心が高く、また港湾ではウラジオストクが注目を集めている。ロシアが先行発展地域(TOR)の計画実現に着手したのはつい最近のことだ。このためTORの結果はすぐには見えない。それが見えるのは、実際に達成されてからだ。アジアの投資家には肯定的なイメージしかない。これから5年の間に大きく弾みがつくだろう。おそらくこれくらいの時期を経ると、ロシア極東はすでにシンガポールやベトナムが持っているようなレベルのビジネスの条件を提供できると思う。ロシアがこうした競争に加わったのはアジア諸国よりも遅かった。だがロシア側からのこうした目的の達成速度を見ると、ロシアはインフラでも魅力的な税の優遇措置でも、官僚主義のバリアの簡素化でも近いうちに肩を並べるだろうと確信している。TORのレジデントは所有物、利潤、社会控除に対する税の優遇を受けている。これは税の優遇と行政作業の簡素化という大きな恩典だ。これにプラスして関税フリーゾーンがある。これを全部あわせると好適な投資環境が出来上がり、外国人投資家は必ずやこれを評価するだろう。」
日本側には、極東やクリル諸島のTORに関心がある場合は、このモデルの枠内で日本と作業を行う構えが表された。現在、クリル諸島では漁業部門が活発に発展しており、住居建設も盛んで、観光面の発展が計画されており、空港も拡大され、学校、病院が建てられている。イトゥルプ島では16メガワットの地熱発電所の建設が計画されている。